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「バルマン」にデザイン盗用疑惑が浮上

By Florence Julienne

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ファッション

Balmain FW24 Menswear, Paris Fashion Week Credits: ©Launchmetrics/spotlight

「バルマン(BALMAIN)」のオリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)クリエイティブディレクターにデザイン盗用疑惑が浮上した。訴えを起こしたのは、セネガルのブランド「トンゴロ(TONGORO)」の創設者、サラ・ディウフ(Sarah Diouf)。同氏は「バルマン」がパリで発表した2024年秋冬メンズコレクションで使われたアクセサリーが自身のデザインに類似しているとして、「バルマン」を告発した。また、「バルマン」を巡っては、ロンドンを拠点とするファッションブランド「セルフフッド・オフィシャル(SELFHOOD OFFICIAL)」のオーナー、ドミニカ(Dominika)もデザイン盗用されたと主張している。

渦中のアクセサリーは、2019年5月に「トンゴロ」が発表した「カイロ(Cairo)」と呼ばれる顔に装着するジュエリー。ディウフ氏は22日、「トンゴロ」公式Instagramアカウントにコメントを掲載し、「カイロ」についてニジェールに住むウォダベ族の男性が身につける化粧に着想を得てデザインされたもの、およびダカールで開催された「トンゴロ・トライブ(Tongoro Tribe)」コレクションのショーでアフリカ遊牧民族へのトリビュートとして初披露されたものであることを明かした。ジュエリーはその後即人気となり、モデルのナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)や歌手のアリシア・キース(Alicia Keys)が装着したことでも話題になったという。

Balmain FW24, PFW. Credits: ©Launchmetrics/Spotlight

ディウフ氏はInstagramでつぎのように述べている。「(カイロは)“トンゴロ”の製品のなかですぐに成功を収め、私たちにとって必要不可欠な要素となった。カイロはスタイリストのゼリナ・エイカーズ(Zerina Akers)が手がけたビヨンセ(Beyoncé)の“スピリット(Sprit)”プロモーション動画でも登場している。“バルマン”のオリヴィエ・ルスタンによる2024〜25年秋冬新作で披露されたアクセサリーは、目に見えてカイロに似ていて受け入れ難く、見苦しいものであり、“アフリカ文化の創造性を心から理解している”という西洋ブランドの主張に改めて疑問を感じる。彼らは“着想を得た”と言っているが、その境界線はどこにあるのか」

ラグジュアリーブランドによる伝統衣装の解釈に潜む、文化やデザインの盗用というリスク

「バルマン」は、別のアクセサリーについても、ロンドン発のブランド「セルフフッド・オフィシャル」からも、同ブランドによる「ロイヤルドゥーラグ(Royal Durag)」(頭に巻く薄手の布“ドゥーラグ”をヒントにデザインされた商品)に類似しているとして告発を受けている。「セルフフッド・オフィシャル」オーナーのドミニカは問題のアクセサリーについて「(セルフフッド・オフィシャルの)“ロイヤルドゥーラグ”は私たちにとって唯一無二のもの。プラスチックや金属といった硬質の素材で作るという手法は他社がやっていなかったものだけに、“ロイヤルドゥーラグ”をとても誇りに思っている」とコメントを発表している。

「“バルマン”の新作に心痛するのはそのためだ。たしかに完全に同一商品ではないかもしれないが、アイデアや素材の選択は私たちの商品と同じだ。襟の結び目が後ろか前かという問題ではない。そのアイデアは、私たちが最初に導入したもの。この事態は本当に憂慮すべき問題だ」同氏はこう付け加えた上、「私たちは、だれかにインスピレーションをもらえば、必ず感謝する。しかしどういうわけか、逆の立場になっても感謝されることは決してないようだ」と語っている

なお、現在のところ「バルマン」は本件についてコメントを発表していない。

バルマン
2024年秋冬
Balmain
FW24