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還暦バービー、10億ドルブランドに

By Don-Alvin Adegeest

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ファッション

小柄、ぽっちゃり、長身、ブロンド、アフリカ系、ラテン系に“元祖”まで。−千変万化の装いで世間に度々現れるファッショナブルなセレブリティ・ドール、「バービー」。誰もが知る彼女も今年 60歳の還暦を迎えた。何度も改良を経て、度重なるスキャンダルや酷評にも耐えてきた彼女はその若さを失うことなく今や10億ドルブランドにのし上がった。

バービーは米国人ビジネス・ウーマンのルース・ハンドラーが1959年に発売した。当時女児向けの玩具といえば赤ちゃん人形しかなかった米国で、大人の女性をモデルにしたバービーは一躍人気となった。その後、2016年に経営不振と社会からの批判に苦しんでいた製造販売元マテル社(MATTEL)が2016年に刷新版バービーを発売した。ダイバーシティー(多様性)を重視する消費者にバービーはもはや無意味な存在になっていたのだ。

刷新版では肌の色を7色に増やし、髪型や目の色もそれぞれ24種類・22種類になった。また形も小柄、ぽっちゃり、長身と多彩なラインアップが登場し、マッチョなボーイフレンド、ケンもスリム・肩幅広めというように、体型や髪型などが発売当時の1960年代より大幅に多様化された。

「バービー ファッショニスタ」シリーズ

「世界中の子供達にバービーに親しみを持ってもらうため、人種、体型、ファッションスタイルにわたるまで、あらゆる意味においてダイバーシティー(多様性)を捉え直した」バービーブランドのシニアバイスプレジデント、キム・カルモン(Kim Culmone)はヴォーグ誌(Vogue)の取材にこう答えた。

成果は瞬く間に現れた。発売後、売上は7%増の9億7200万ドルを記録。シリーズ売上トップはラテン系・ぽっちゃりバービーだった。

障がいを持つバービーも登場

カルモンはまた、今夏米国で発売予定の 障がいを持つバービーについて、「シリーズラインナップの一つとして継続的に展開していく」とコメント。マテル社はこれまでファッショニスタシリーズのケンを含めたすべてのラインで様々な視点からダイバーシティーを訴求しているが、新たな展開として車いす、義足といった 障がいを持つバービーを発売する。先日も公式Instagramアカウントで白斑(肌がまだらに白くなる皮膚の疾患)を持つバービーの写真を発表。今年後半にも米国で販売される見通しだ。

ファッショニスタシリーズはワードローブについても、「スポーツウェア」「デイタイムルック」「イブニングスタイル」「カクテルドレス」など、大人も欲しくなるようなオシャレなアイテムを取り揃えている。また現在、映画版『バービー』の制作がオーストラリア人女優マーゴット・ロビー(Margot Robbie)の主演で進行中。完成は2020年の予定で、バービーの銀幕デビューが見られる見込みだ。

映画のストーリーは「バービーランド」という国に住む「パーフェクトじゃない」主人公が、本当の世界を見るために冒険の旅に出るというもの。ある意味バービーの遍歴をたどるようなストーリーだが、スタイリッシュでハッピーなエンディングが用意されているという。

写真: 「バービー ファッショニスタ」シリーズ、copyright Mattel Inc

バービー