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「ファッション業界の常識」に挑む2団体が結束

By Don-Alvin Adegeest

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ファッション

今年5月、新型コロナ危機を受けてベルギーのデザイナー、ドリス・ヴァン ・ノッテン(Dries Van Noten)氏と「トム・ブラウン(Thom Browne)」、「アクネ ストゥディオズ(Acne studios)」、「マイテレサ(Mytheresa)」、「セルフリッジ(Selfridges)」などのブランドや小売業者が加盟する団体がファッション業界へのフォーラムに参加し、「男女問わず新商品の発表シーズンや流通の流れを変える」とした公開書簡に署名した。

またほぼ同時期には独立系デザイナーやアパレル経営者らにより結成された別のイニシアチブ「リワイヤリング・ファッション(Rewiring Fashion)」が消費者の意向と異なる現在のファッションの発売スケジュールや旧態依然としたファッションショーの形式に異議を唱えた。

上記2団体は先日、英国のファッションメディア「ビジネス・オブ・ファッション(Business of Fashion、以下BoF)が開催した毎年恒例のイベント「ボイセズ(Voices)」において従来のファッション業界の仕組みに変化をもたらすべく結束していくことを表明した。

寒い時期には冬物を

ヴァン・ノッテン氏らは、「寒い季節には冬物を、暖かい時期に夏物を販売する」というファッションの販売スケジュールに調整するよう提案している。一見論理的ではあるが、現行のファッション業界の販売スケジュールは夏が来る前に真夏のコレクションを売り出すというようにほぼ真逆に構成されている。販売スケジュールを変更することでシーズン終盤の値下げを最小限に抑えられるが、卸売業者を介して販売する現在の流通方法が大きく変わることになる。

一方、「リワイヤリング・ファッション」はファッションウィークのあり方を追及。度重なるショーの開催やこれに伴う渡航の多さ、ショーの開催後半年しなければ新商品を購入できないといった消費者ニーズに合わないスケジュール展開など従来のファッションウィークの問題点を指摘している。

BoFによると両者は「ファッション業界で真の変革をもたらすには業界として団結することが必要」だと主張しているという。両者はともにメンバーや目的が共通しており、目標達成に向けて結束を深めている。

ヴァン・ノッテン氏は「新しい取り組みは業界関係者が互いに対話し、情報を共有していることだ」とコメントしている。

画像: Dries van Notes via Catwalkpictures

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