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プラダ、毛皮製品の廃止を決定 2020年春夏から

By Robyn Turk

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ファッション

反毛皮運動がますます過熱している。イタリアのラグジュアリーファッション大手のプラダグループ(PRADA GROUP )が毛皮製品の製造中止を決定した。2020年初夏シーズンのウィメンズコレクションを皮切りに、「プラダ(PRADA)」「ミュウミュウ(MIU MIU )」「チャーチ(CHURCH’S)」「カーシュー(CAR SHOE)」などで毛皮商品やデザインにおける毛皮の使用をやめる。

プラダグループはこれまで商品でミンク、フォックス、ラビットなどの毛皮を使ってきたが、昨年9月から国際動物愛護協会(HSI)、米国動物愛護協会(HSUS)、ファーフリーアライアンス(FFA)といった団体がプラダグループによる毛皮使用廃止を求めてキャンペーンを行うなど同社に対する圧力がかかっていた。

プラダグループ共同最高責任者兼デザイナーのミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada )は今回の決定について、「イノベーションと社会的責任の追求はプラダグループの使命。毛皮使用廃止ポリシーはFFA、および反生体解剖連盟(LAV)とHSUSとの前向きな対話を受けて合意にいたったもので、当社の企業使命にも則している。(毛皮に変わる)革新的な素材の使用により、消費者の倫理的な商品に対するニーズを満たすとともに当社商品のデザインの可能性を広げることができる」とコメントしている。

引き続き議論が深刻化するファッション業界の「毛皮問題」

今回の決定に伴い、プラダグループは2017年から盛んになった毛皮不使用を推進するブランドとして名を連ねることとなった。他には「バーバリー( BURBERRY)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「グッチ(GUCCI)」「シャネル(CHANEL)」、「コーチ(COACH)」「ダナ・キャラン(DONNA KARAN)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」 「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」「ダイアンフォンファステンバーグ(DIANE VON FURSTENBERG)」「コロンビアスポーツウェア(COLUMBIA SPORTSWEAR)」「ファーフェッチ(FARFETCH)」「ユークス ネッタポルテ(YOOX NET-A-PORTER)」などが毛皮使用廃止を宣言している。

米国では複数の都市で倫理的な理由から毛皮製品の販売を禁止する動きが広まっている。HSIは本誌の電子メール取材で、「毛皮を生産するために犠牲となるミンク、フォックス、ラビットは短命で、粗悪な鉄柵の檻の中で餌も満足に与えられず、無味でストレスの非常に高い環境で飼育されている。彼らにはよく自傷行為や反復的な常同行動といった兆候が見られる」と毛皮用動物たちの置かれている状況を語った。

サンフランシスコ市やロサンゼルス市ではすでに毛皮製品の販売が禁止されている。ニューヨク市議会も同様の条例を検討しているが、議論が二分している。今年5月中旬 に市庁舎で開催された公聴会では大勢の毛皮業者や動物愛護活動家が訪れ、それぞれの意見を主張した。

議論は動物愛護派のほうに傾きつつあるが、毛皮擁護派は条例が可決されれば約7000人が職を失うことになると指摘している。

条例の採決日はまだ決定していない。

写真: Pexels

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