2022年春夏 ストリート&ランウェイに見る最新トレンド
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このほど、ブランド各社の2022年春夏向け新作発表シーズンが幕を閉じた。各都市で開催されたファッションウィークの会期中にはいくつもの新たなトレンドがランウェイのみならずストリートにも出現。ベルリンからニューヨークまで最新ルックスがストリートを飾った。
ファッションウィークで見られた’22年春夏のストリートスタイルを、ランウェイ画像とともにどうぞご覧あれ。
花柄コート
パリやミラノなど欧州きってのファッション都市に住む淑女の間では、移り変わりの激しい春夏の天気とは裏腹にコートに花柄を添えるのがイマドキのスタイルだ。とは言え、ただの花柄ではない。軽量な素材のカラフルなバージョンから、濃いめのカラーのシンプルなレザーに明るいカラーの花柄をアクセントに加えたものなど、選択の幅が広い。アクセサリーはコートに合わせたカラーのネックレスやサングラス、マスクを合わせてルックスを完成。
このトレンドは’22年春夏のファッションウィークでもすでに取り入れられている。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」がダークカラーのフロアレングスのコートを発表したほか、「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」もピンクや赤の花が印象的な体を包み込むようなシングルコートをデザイン。さらに「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」はフード付きのスポーティーなフローラルプリントのコートをそれぞれ披露している。
ロックなバンドTシャツ
音楽やコンサートが存在し続ける限り、アーティストやバンドのTシャツはファンなら決して廃れることのないファッションアイテムだが、最新ファッションウィークでは90年代〜2000年初頭にかけてのロックバンドTシャツトレンドの人気が急上昇。当時のバンドTシャツはアーティストや音楽のジャンル、着用者の個人的な嗜好によって異なる色使いで展開。服のデザインもバンドTシャツを意識して制作されたうえ、レザージャケット、フリンジ、ラインストーン、スタッズなどロックにヒントを得たスタイルも主流であった。
そんなロックTシャツのトレンドを追随したのが「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」や「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」だ。「ドルチェ&ガッバーナ」は歌手ジェニファー・ロペスの愛称「J.Lo」をあしらったラインストーンのスタッズ付きTシャツを披露。その他、「ザディグ エ ヴォルテール」の「ラブ・ナウ(Love Now)」ワールドツアー2022Tシャツや、サブカルチャーへの参入が話題の「ラフ・シモンズ」のブレザー&ショートパンツにツアーシャツを合わせたルックスも印象的。
フリンジ付きレザージャケット
フリンジ付きレザージャケットにも変化が起きている。黒一色で展開する代わりに、鮮やかな緑やベージュなどのスポーティなアクセントカラーを使うのが最新のトレンド。スタッズを散りばめてお揃いのレザーパンツと合わせたり、コートとして着たりと、そのルックスはまるで西部劇やアメリカンカジュアルの世界そのもの。サングラスやレザーの手袋を取り入れて、より刺激的なルックスに。
‘22年春夏新作では、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」がコードやダブルジッパーなどのディテールをあしらった黒のフリンジ付きレザージャケットを披露。「クロエ(CHLOÉ)」は白いロングのウエストコートに長い紐を垂らしてアクセントに。対して「サルヴァトーレ フェラガモ (SALVATORE FERRAGAMO)」のメンズコレクションではあえてフリンジを隠したジャケットが登場。
コルセット&ビスチェ
コルセットやビスチェのようなランジェリーはもはや衣類の下に着るものではない。今や一枚もしくはカジュアルなシャツに重ね着して、個性を表現できるアイテムだ。体にピッタリとフィットするため、さまざまなトップスやボトムスと組み合わせてシルエットを楽しめる。ダークな色のモノクロバージョンから花の刺繍の入ったシースルーにいたるまで、そのアレンジの仕方は無限だ。
ブランド新作では、カラフルなビスチェのジャケット&スカートセットアップ(「モスキーノ(MOSCHINO)」)、コルセットを組み込んだ大胆なフレアのウェディングドレス(「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド (ANDREAS KRONTHALER FOR VIVIENNE WESTWOOD)」)、バラの花柄プリントのブラウスに紫のコルセットを合わせてウエスト部分を強調したルックス(「キム シュイ(KIM SHUI)」)がお目見えした。
Short blazersショートブレザー
お洒落上級者の間で浸透したロングブレザーとは真逆の、胸部が隠れるスレスレの丈のクロップドジャケットが旬に。スタイリングの幅が広がる一方、その丈はどこまでも短くなり、肌の露出度がどんどん上がっている。
ミラノでは、ブレザーとパンツのセットアップや、ブレザー&トップスに対照的な色のパンツを合わせるスタイルが人気となっているが、ニューヨークではスポーティーなブレザーに露出度高めのミニ・ショートパンツのコーディネートがトレンドだ。
ブランドでの導入状況を見てみると、「バルマン(BALMAIN)」が幅広のショートブレザー+サイクルパンツのルックスを今回のコレクションに投入。同様に「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」も同じく大きめのシルエットにフロアレングスのパンツをコーディネートしている。また、「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」と「クリスチャン コーワン(CHRISTIAN COWAN)」はそれぞれショートブレザーとスカートのセットアップを披露。
`22年春夏のパターントレンド:市松模様
ネットフリックスのドラマシリーズ『クイーンズ・ガンビッド』で火がついたチェスブームの影響がファッションにまで及び、ジャンプスーツやパンツ、ジャケット、アクセサリーにいたるまでチェス盤を思わせる市松模様のデザインが登場。市松模様はスタイリングも多様に展開でき、サンダルと合わせたゆるカジュアルなコーデから、パンツにブレザーまたはシャツ+カーディガンといったシックカジュアルなスタイルまで幅広く使える模様だ。
本来のチェス盤とは異なり、ストックホルムやベルリン、ニューヨークで見られる市松模様は黒以外にもさまざまな色を合わせている。コントラストの効いた色同士を組み合わせるのも人気だ。
ランウェイでは「ブランドン マックスウェル (BRANDON MAXWELL)」がジャケット、シャツ、ビキニのコンビネーションにらせん状にアレンジするとともに、「キャロリーナ ヘレラ(CAROLINA HERRERA)」は光沢感のある赤系のカラーで展開。「クリスチャン コーワン」のクロップトップ&スカートに入れられた緑や紫の大柄市松模様も一際目を引く。
本記事の原文は、FashionUnitedドイツ版に掲載されたものです。