「シャネル」2024年クルーズのショー、深圳で再演へ
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「シャネル(CHANEL)」は2024年クルーズコレクションのショーを今年11月に深圳で再演する計画を発表し、中国への本格復帰を表明した。
「シャネル」が中国本土で大規模イベントを実施するのは、2019年に上海で開催された巡回展「マドモアゼル プリヴェ(Mademoiselle Privé)」以来初めて。今回のショーの開催決定は同社にとっての中国市場の位置付けの重要性や世界のファッション産業における中国の影響力の大きさを物語っている。
漁村から「中国のシリコンバレー」と呼ばれるまでに急成長した深圳は、1300万人が暮らす中国随一のデザイン・イノベーション・ハイテク都市。米「フォーブス」誌(Forbes)の「ビリオネア(総資産10億以上の富豪)が多い都市ランキング」では、シンガポールを抜き第8位を獲得。さらにその勢いはムンバイにも追いつくほどだ。世界のテクノロジー拠点としても注目される深圳に注目し、ラグジュアリーブランドが販路を広げて購買力のある富裕層の取り込みを進めている。
中国内にフットウエア専門店2店を含む直営店15店舗以上を運営する「シャネル」は、2021年12月に深圳の南山区に同市第一号店を開業している。
中国の消費者がこれまでになく国内での買い物に集中している昨今、ラグジュアリーブランドの多くがコレクションのショーを中国の都市で開催するなど現地での足場がために奔走している。「プラダ(PRADA)」は昨年2022-2023年秋冬コレクションのショーを 北京で開催したほか、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」も2023年春夏メンズウエアコレクションのスピンオフを河北省のアランヤ・ゴールドコーストで発表している。こうした動きに、ポストコロナの時代のラグジュアリー産業にとっての重要な市場である中国の復活の兆しが見え始めている。