「2024年春夏はワイルド&フリー」〜ドイツのDMIが読み解くファションのシフト
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読者の諸君、罪なファッションへの準備はOKだろうか?と言うのも、2024年春夏のファッションは、すべてが無節制なのだ。デザイナーたちの最新作で気ままに、ルールなしのデザインを発表し続けている。ドイツのファッション研究所、Deutsches Mode-Institut(以下、DMI)は昨今開催したセミナーで、こうしたファッション業界のシフトの導入事例を解説した。
「ファッション」より「快楽」
理想主義は過去のものとなり、どんどんニヒリズム(虚無主義)、あるいは快楽主義に塗り替えられようとしている。米の「トム フォード(TOM FORD)」に例えると、2023年のコレクションではシルクやレースを使った露出ファッションが数多くお目見え。フォード氏自身、こうしたデザイン制作の理由について、単なる楽しさを追求したものだと明かしている。
ありのままのワイルドネス
自分自身を最適な状態に保つことへの恒常的なプレッシャーは、気候変動問題対策への危機感とともに、ますます重要度を増している。「ワイルドネス(手つかずで野生味溢れるファッション)は今夏のコレクションの共通テーマ。乱れたメイクアップや汗で濡れた髪、欠けたネイル、破れたタイツ、曲がったボタン、ボロボロで汚れた服などが新作に見られている」とあるファッションエキスパートは語る。
清めのファッション:ブラック・ウイドー、魔女、ヴァンパイア、ゴス
「リチャード クイン(RICHARD QUINN)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」らのランウェイでは、レースやガーターベルト、ヴェールを使った黒い未亡人風のスタイルが目立ち、見た目でも、その精神においてもゴシックスタイルが強調されている。ファッションはもはや元気なドーパミンカラーや可愛らしいバービーファッションだけではなく、ゴス&ダークなイメージも定着しつつある。
デザイナーたちの思い描くファッションのミューズ(女神)像も変化し、ゴスや妖女、ヴァンパイア、聖人、娼婦ちといった幅広いイメージに加え、通常の天使だけではなく、堕天使もランウェイのテーマとして取り上げられている。さらにデザイナーたちのデザインもシンボルやセックスを使って挑発的に。「ブルマリン(BLUMARINE)」の十字架のモチーフや「バルマン(BALMAIN)」の新作で目を引いた炎のパターンは象徴的な事例だ。
ありのままの人間を捉えた新たなファッショントレンドは、2024年春夏シーズンを大いに盛り上げ、刺激的にするだろう。
It's about uncensored and uninhibited sex for the advanced," added Tillessen with regard to the provocative clothing, which also includes cut-outs in the crotch-area, for instance at Gucci, Egonlab and Enfants Riches Déprimés.