• Home
  • News
  • Fashion
  • 「エルメス」が21年春夏メンズ新作のショー動画を公開

Fashion

「エルメス」が21年春夏メンズ新作のショー動画を公開

By Don-Alvin Adegeest

2020年7月28日

7分間のファッションショー動画の評価は最高に素晴らしいか、あるいは退屈で暗いかに二分される。パリファッションウィークのデジタル化が決まったものの、オートクチュールファッションの手技を短編動画に仕立てるのは前代未聞の話。エレガントなドレスも動画ではその良さが必ずしも伝わるとは限らない。モデルが纏うドレス、間近で見る手細工、コレクティブな表現方法。新作発表を全体的に盛り上げるアイデアが詰まったライブのショーを見慣れている観客の心を画面越しに掴もうと多くのメゾンが試行錯誤するも残念ながら失敗に終わっている。

だが、ステージでのショーは少なとも今年9月まで延期が決定しており、しばらく動画を介した新作発表は続くとされる。そんな中、今週「エルメス(Hermès)」が発表した2021年春夏のメンズウェア・コレクションの動画は、ラグジュアリーブランドの中でも空想世界(ディオール)やぎこちないダンスを踊るモデル(シャネル)、目障りなテーマ(その他ブランド多数)に頼ることなく新作の魅力を的確に捉え、観客を魅了した初めてのプレゼンテーションであった。ポエティックな7分間の映像には複雑な演出やセット、薄っぺらい芝居も舞台裏のドラマもなく、観客はパリ郊外のパンタンにある光り輝く本社の建物の中にある「エルメス」のアトリエへの旅へと誘われるのである。

パリ・ファッションウィークに先駆けて新作ショー動画を公開

「エルメス」は動画でブランドマーケティングを訴求する代わりに、デザイナーのヴェロニク・ニシャニアン(Véronique Nichanian)がさもショーの前の準備をしているかのようにバックステージでチームのメンバーとやりとりしたり、モデルニフィッチングを施したりする様子を追うライブ映像を制作した。カメラや撮影クルーの姿や音声もカットせず、ほとんどワンテイクで撮影した映像は臨場感があふれ、ストライプのシャツや時計、サンダルなどのディテールがズームイン&アウト画像や、モデル達が淡々と出番を待ったり、スマートフォンでメールや自撮りをしたり、カメラの前でポーズをとったりする姿を捉えている。そうして出来上がったのが舞台演出家シリル・テスト(Cyril Teste )と映像制作を手がける「コレクティブMXM(Collective MXM)」のコラボレーションによる服が主役の詩的なパフォーマンスだ。

ロックダウン 中ニシャニアンは軽快さやシンプルさを表現するまるで詩のような服を作りたいと思っていたという。新作ではそんな思いが込められた流行に捉われずカジュアルに着こなせる清潔感のあるシルエットを提案している。

「エルメス」メンズコレクション2021年春夏動画はこちらから閲覧可:

画像提供: Hermés