‘24年春夏メンズウエア・バイヤーズガイド
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2024年春夏向けメンズウエアの買い付けシーズンが今月始まる。イタリアのメンズ見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Immagine Uomo )」が6月13日〜16日に開催されるほか、翌日からは21日まではミラノ・メンズファッションウィークが控え、さらに入れ替わりで20日〜25日の間パリで予定されているメンズファッションウィークでは、故ヴァージル・アブロー氏の後を継いで「ルイ・ヴィトン」のクリエイティブディレクターに就任したファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が出がける初のコレクションが披露されるとあって、期待が高まっている。ゆったりとしたテーラリング、プレッピー、デニム・オン・デニムから、印象的なアウターまで、バイヤー必見の最新トレンドを一挙ご紹介。
ゆったりめスーツ
メンズウエアはエディ・スリマン(Hedi Slimane)のデザインに代表されるスリムフィットのスーツから、よりリラックスしたシルエットへと徐々にシフトしている。ジャケットはゆとりのあるルックスに、パンツも幅広がイマドキだ。各社の2023年春夏コレクションに見る4つの事例は下記の通り。
「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」2023年春夏
Look 8:ブルーグレーの六つボタン&ショールカラーダブルブレストスーツ。インナーに幾何学模様のプリントシャツ。パンツの丈は長め。
「ルード(RHUDE)」2023年春夏 (デザイナー:ルイージ・ビラセノール/Rhuigi Villasenor)
Look 40:細い黒のピンストライプが際立つ、クリーム色のダブルブレスト四つボタンスーツ&ベスト。パンツはストレートフィット。
「ポール スミス(PAUL SMITH)」2023年春夏
Look 4:茶色のチェック柄で仕上げたオーバーロングのジャケットとフロントプリーツのショートパンツ。Vネックのベストも同じ柄で展開。
「ヴェルサーチェ(VERSACE)」2023年春夏
Look 2:バーガンディー・ネイビー・白の3色ストライプで展開したワイドショルダーブレザー&リラックスフィット・パンツ。アクセサリーはスネークスキンのブーツ、ゴールドのキーチェーンなど。
プレッピー
語源である「プレップ・スクール」は英国の私立学校を指す言葉だが、ファッション界では「プレッピー」ほどアメリカンなものはない。「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」 や「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」が火付け役となり、最近では世界中のデザイナーたちが取り入れるプレッピースタイルの最新事例を、2023年春夏と2024年春夏コレクションからピックアップ。
「ケンゾー(KENZO)」2023年春夏 (デザイナー:ニゴ/Nigo)
Look 22:カラフルなストライプのシアサッカーブレザー&バミューダパンツ。ブレザーは二つボタン仕上げ。ミスマッチ・ソックス、白のローファーでコーディネート。
Look 32:青と緑のフェアアイル・スクープネック・ベストとクリーム色のバギーパンツ。アクセサリーにベイカーボーイハット、黄色のスカーフ、赤のソングサンダル。
「MGSM」2023年春夏 (デザイナー:マッシモ・ジョルジェッティ/Massimo Giorgetti)
Look 12:オーバーサイズのラガーシャツのほか、ブルーストライプのシャツ&ショートパンツにホットピンクと黒のストライプのフーディーを重ねたレイヤードルックが登場。スニーカーにはMGSMのロゴが入っている。
「ディオール(DIOR)」2024年リゾート (デザイナー:キム・ジョーンズ/Kim Jones)
Look 24:ライラックのVネックセーターには、赤や茶、バーガンディーを使ったアーガイル模様があしらわれている。一緒に着用しているのはストライプのシャツとバギーパンツ。メッセンジャーバッグや「Dior」ロゴ入りスニーカーにもご注目。
「ディースクエアード(DSQUARED2)」2024年リゾート (デザイナー:ディーン&ダン・ケイティン/Dean and Dan Caten)
Look 6:ピンク・赤・青のストライプ模様を編み込んだポロシャツセーターとフレアジーンズ。ジーンズの星形パッチが可愛らしい。アクセサリーはゴールドのバックル付きベルト、ゴールドのチャームネックレス、ライトブラウンのブーツなど。
コート
春夏向け商品が店頭に並ぶ1〜5月には、まだまだ天候的にアウターウエアのニーズが高い。トレンチコートやテクニカルなレインコート、ライトコートなど、2023年春夏コレクションでは来春に向けたさまざまなアウターが登場している。
「ブルー マーブル(BLUE MARBLE)」2023年春夏 (デザイナー:アンソニー・アルヴァレズ/Anthony Alvarez)
Look 29:テクニカル素材製ライトブラウンのロングレインコート&パンツ。アニマルプリントのスカーフと青いモカシン。
「プラダ(PRADA)」2023年春夏 (デザイナー:ミウッチャ・プラダ/Miuccia Prada、ラフ・シモンズ/Raf Simons)
Look 18:ピンクと白のギンガムチェックコート+カーキの三つボタンレインコートのダブルアウタールック。コートの下に覗くのは、レザーのセットアップ。同じくレザーのアンクルブーツでルックを完成。
「マーティン ローズ(MARTINE ROSE)」2023年春夏
Look 1:クラシックなカーキ色のダブルブレストトレンチコート。六つボタン仕様。コートの下はデニムのセットアップ。ダークデニムのベースボールキャップと白いスニーカー。
「ゼニア(ZEGNA)」2023年春夏 (デザイナー:アレッサンドロ・サルトリ/Alessandro Sartori)
Look 26:テクニカルナイロン素材の黄色いレインコート。上から透明のコートを被せている。黄色いヘリンボーンステッチのセーターと白のストレートパンツ、スニーカーでまとめている。
ジーンズ
スキニーに加えて、ストレートやフレアー、バギーとデニムのスタイルもバラエティ豊かに。さらに上下にデニムを持ってくるデニム・オン・デニムも、普段着やトレンディなルックスとして登場。
「ディースクエアード(DSQUARED2)」2024年リゾート(デザイナー:ディーン&ダン・ケイティン/Dean and Dan Caten)
Look 24:ブルーデニムは、スタッズをたっぷりと散りばめたり、カーゴポケットに裂け目を入れてアレンジ。定番のデニムジャケットとグレーのジップフロントフーディーの下には、これまたクリスタルのフリンジ付きのジャケットが。シルバーのジュエリー、ベースボールキャップ、ロゴ入りスニーカーでアクセサライズ。
「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」2023年春夏
Look 31:クラシックなローライズデニムにクリンクル加工を施してアップデート。トップスは黒と赤のアシンメトリーなウインドブレイカー。1990年代の初めに流行ったロゴ入り“見せパン(ブリーフ)”も再びお目見え。黒・青・白のスニーカーが足元を華やかに飾る。
「MGSM」2023年春夏 (デザイナー:マッシモ・ジョルジェッティ/Massimo Giorgetti)
Look 5:デニムのポケット付きシャツ&バギージーンズは、淡いブルーの地にミッドブルーのステンシルプリントを施している。シャツの下には別のブルーデニムシャツを重ねている。
「プラダ(PRADA)」2023年春夏 (デザイナー:ミウッチャ・プラダ/Miuccia Prada、ラフ・シモンズ/Raf Simons)
Look 31:「MGSM」と似た雰囲気がありながらも、スリムなシルエットのジーンズ&ジャケット。ブルーウォッシュの色合いがソフトな印象を演出。
ピンク
バービールックのホットピンク人気も根強いが、かつて「ミレニアル・ピンク(millennial pink)」と呼ばれたくすんだピンクがカジュアルファッションのトレンドとして再浮上している。
「マイク・アミリ(Mike Amiri)」2023年春夏
Look 34:サテンのトップスの上に羽織った、テクスチャード・コットンのキャンプシャツとワッフルニットのバギー・ショートパンツ。バケットハット、バッグ、スニーカーはクリーム色で統一。
「ニール バレット(NEIL BARRETT)」2023年春夏
Look 16:スリムラインのデニムジャケット&カーゴパンツ。こちらもくすんだピンク色の生地だが、光沢感がある。アクセサリーは白のハイトップ・スニーカー。
「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」2023年春夏 (デザイナー:グレン・マーティンス/Glenn Martens)
Look 26:オーバーサイズにデザインしたくすんだピンクのパッチポケット・シャツ&Tシャツ。ボトムスにはバギーカーゴパンツ。
「ゼニア(ZEGNA)」2023年春夏 (デザイナー:アレッサンドロ・サルトリ/Alessandro Sartori)
Look 7:リネンと紙をミックスした生地で仕立てたノーカラー・スウェットシャツ&リラックスフィットのパンツ。リムレスサングラスとグレーのスニーカー。