【’24年春夏パリFW】カラー・生地・プリント最新トレンド
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9月26日〜10月3日に開催された2024年春夏向けパリファッションウィーク(パリFW)では、140のブランドが参加。「グッチ(GUCCI)」のサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)、「トム フォード(TOM FORD)」のピーター・ホーキングス(Peter Hawkings)、「バリー(BALLY)」のシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)など、デビュー作が相次いだミラノのファッションウィークとは裏腹に、こちらは「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」のサラ・バートン(Sarah Burton)および「クロエ(CHLOÉ)」のガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)がそれぞれのブランドでのラストコレクションを披露した。女性クリエイディブディレクター2人の退任が惜しまれるが、今回のFWではフレッシュなデザインを求めるバイヤー必見の新たなトレンドも多数見受けられた。本誌では、そんな最新トレンドから厳選ハイライトをお届けする。
1) コバルトブルー
大人し目の色使いが続き、そろそろ変化が欲しくなってきた今季のFWでは、コバルトブルーをはじめ明るい青色がランウェイを彩った。
「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」
デザイナー:ジョニー・ヨハンソン(Jonny Johansson) Look 18:半透明のシアーな生地を使った、コバルトブルーのマキシドレス。アシンメトリーなスリット、長めの袖が印象的。アクセサリーは、同素材のストッキング、パテントレザーのアンクル・ストラップサンダルなど。
「バルマン(BALMAIN)」
デザイナー:オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing) Look 45:コバルトブルーのVネック・ミニドレス。スパンコールで作ったピンクの花びらと緑の茎を装飾している。ウエストはドロップウエストに仕上げ。アクセサリーは黄色のハンドバッグ、ディアマンテ&緑色のカフブレスレット2種、ピーチとオレンジカラーのスペクテイターパンプス。
「ジバンシィ(GIVENCHY)」
デザイナー:マシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams) Look 25:コバルトブルーのスエードで仕立てた、フィッテッドなシルエットのストラップレス・ミディドレス。ラージサイズの片耳イアリング、白のチェーンバッグ、青のシアーソックス、ネイビーのアンクル・ストラップシューズでスタイリング。
「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」
デザイナー:近藤悟史 Look 24:カウルネックのブラウス、ワイドショルダーのジャケット&パンツをコバルトブルーで展開。生地の表面に光沢感を持たせている。
「シャッツィ・チェン(SHIATZY CHEN)」
Look 59:コバルトブルーが眩しい、シフォンのダスターコート。腕部分に装飾が入っている。インナーにはトーンを落としたニットトップスとショートパンツを合わせているほか、シルバーのアンクル・ストラップサンダルでルックスを完成。
2)ダークカラー・デニム
生地では、厚みや加工の異なるデニムが複数登場した。なかでも加工を施していないダークカラーのロウ・デニムを使った新しいユニークなシルエットが際立った。
「セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)」
Look 15:ダークデニムのクロップドジャケット&フリルスカート。縫い目は赤い糸でスティッチを入れている。チュールのアンダースカートも赤で展開。アクセサリーは黒のソックス、ラバーのメリージェーン。
「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」
デザイナー:サラ・バートン(Sarah Burton) Look 21:ダークデニムのジャケットはウエスト部分を絞るとともに、レースアップのディティールを加えている。ショートパンツも同素材でデザイン。シルバーのイアリング、黒のニーハイブーツとバッグと一緒にコーディネート。
「サカイ(SACAI)」
デザイナー:阿部千登勢 Look 13:ポケットの付いた、ダークデニムのスリーブレスドレス。こちらも生地にオレンジの糸のスティッチ入り。足元は、黒のシアーソックスとブーツでスタイリング。
「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」
デザイナー:ダニエル・ローズベリー(Daniel Roseberry) Look 16:白いスティッチを入れたダークデニムのコートの襟は、超特大サイズでドラマチックに。コートのボタンはあえて形状の違うものを使っている。コートの下のドレスは、裾をアシンメトリーにデザインし、ライトカラーのデニム生地のトリムをつけてコントラストを演出。アクセサリーは、ゴールドのシングルイアリングとカフブレスレット、白のソックス&スニーカー。スニーカーのつま先も金色で展開。
「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」
デザイナー:グレン・マーティンス(Glenn Martens) Look 45:ダークデニムのボディコンドレス。ひだを寄せたネックラインには、ライトカラーのウォッシュデニムで作ったトリミングを入れている。アクセサリーは、シルバーのイヤリング、黒のクラッチバッグ、白のサンダル。
3) 赤&茶系レザー
今季のパリでは、レザーも人気素材。定番の黒のジャケットに加えて赤や赤褐色、茶系のレザーもお目見えした。
「アライア(ALAÏA)」
デザイナー:ピーター・ミュリエ (Pieter Mulier) Look 37:タイトなシルエットに仕上げた、ブラウンカラーのラムスキン・ダブルブレスト・ラムスキンコート。襟部分はステンカラーになっている。アクセサリーは黒いファーのミュールとトレンカ、ブラウンのオープントゥ・アンクルストラップシューズ。
「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」
Look 11:赤のレザー・ショートトップ。袖部分はキャップスリーブ。同素材のラップスカート、シルバーのカフブレスレット、黒の厚底ミュールとスタイリング。
「ロエベ(LOEWE)」
デザイナー:ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson) Look 18:ブラウンレザー製ミッド丈ダブルブレスト・コート。フラップポケット付き。片側の裾を捲し上げたユニークなシルエット。トートバッグ、ポインテッドトウ・ミュールも同じレザーでデザイン。
「リック・オウエンス(RICK OWENS)」
Look 29:赤いレザーのライダースジャケットは肩を尖ったパゴダショルダーにアレンジ。ボトムスのマキシスカートは、赤味を少し落としている。赤のヴェールと厚底シューズでアクセサライズ。
「エルメス(HERMÈS)」
デザイナー:ナデージュ・ヴァンヘ(Nadege Vanhee) Look 45:赤いレザー・コートは、幅広のラペルやフラップポケットをあしらい、丈は短めにデザイン。リブニットのミニドレスとストラップサンダルでルックスを完成。
4)フリンジ
「アクリス(AKRIS)」
デザイナー:アルベルト・クリームラー(Albert Kriemler) Look 53:ノースリーブのドロップウエスト・ミニドレス。裾部分に超ロングサイズのフリンジをあしらっている。赤のメリージェーン・フラットがいいアクセントに。
「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」
デザイナー:ステファノ・ガリーチ(Stefano Gallici) Look 18:クリームのスーツに重ねた黒のレザーで仕立てたエプロン。長いフリンンジを床に垂らしている。
「ミュグレー(MUGLER)」
デザイナー:ケーシー・カドウォールダー(Casey Cadwallader)
Look 31:黒のブレザー、ヌードカラーの長靴下とバッグは、いずれも超ロングのフリンジで表面を覆い尽くしている。
クリストファー・エスバー(Christpher Esber)
Look 34:白いセミシアーのボディスーツ&ニットスカート。裾の長いフリンジ部分に、スパンコールを散りばめている。アクセサリーは、ラウンドトゥのミュール。
「ディオール(DIOR)」
デザイナー:マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri) Look 72:黒のボディースーツは腹部にシアー生地を使い、ロングのフリンジを全体的にあしらった。ポインテッドトゥのニーハイ・ストラップサンダル、ゴールドのチョーカー、シングルイアリング、細身のバングルと一緒にスタイリング。
5)フラワーモチーフ
映画『プラダを着た悪魔』で、メリル・ストリープ扮するファッション誌の編集長ミランダは「春に花柄?斬新ね」と皮肉を言ったものの、‘24年春夏のパリFWではフラワープリントが人気に。最新トレンドは大きめのプリント。
「シャネル(CHANEL)」
デザイナー:ヴァージニ・ヴィアール(Virginie Viard) Look 66:ワイドパンツはネイビーの生地にピンクと黄色でフローラルと、「シャネル」のロゴをパステルカラーなど明るめの色でプリント。カーディガンにも中央に大きな花のモチーフを使っている。アクセサリーはチェーン・ショルダーバッグなど。
「AZファクトリー(AZ FACTORY)」
デザイナー:ノーマン・ルネ・デヴェラ(Norman Rene Devera)、ピーター・モブリン(Peter Movrin) Look 33:オレンジの背景にホットピンクの薔薇の花をプリントした、ダッチェスシルクのトップス&ショートパンツ。コバルトブルーとオレンジのパンプスで足元も華やかに。
「バレンシアガ(BALENCIAGA)」
デザイナー:デムナ(Demna) Look 65:フロア丈のケープスリーブ・シフトドレス。黄色の生地に、同じく黄色とオレンジでプリントした花柄は、ヴィンテージ感を醸し出している。
「バルマン(BALMAIN)」
デザイナー:オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing) Look 35:大きい薔薇をプリントした、トレンチコート。ピンクと緑、水色、黄色、オレンジの色使いがみずみずしい。
「ポール&ジョー(PAUL & JOE)」
デザイナー:ソフィー・メシャリー(Sophie Mechaly) Look 22:ロング丈のスパゲティストラップ・シフトドレス。ブラウンの生地に、黄色の向日葵の花や、タンカラーの葉っぱをプリント。肩まわりはオフショルダーでふんわりとしたパフスリーブに仕上げている。