第3回ケリング・ジェネレーション・アワード授賞式が開催、中国のサステナビリティスタートアップを表彰
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ケリング(Kering)は上海ファッションウィーク期間中の10月16 日、スタートアップ支援を行うPlug and Play Chinaと共同で第3回ケリング・ジェネレーション・アワード授賞式(Kering Generation Awards)を開催した。
同賞はケリングのサステナビリティの一環として2018年に初開催されたもので、代替原料の開発や使用、サプライチェーンおよび小売のサステナビリティ対策、循環経済の実現における課題への取り組みを通じて、自然環境や社会に好影響をもたらしている中国のスタートアップ企業を表彰・支援することを目的としている。
今年度は「Coming Full Circle(一周する)」をテーマに、循環型の原料・製品・ビジネスモデル開発を行う中国企業180社を審査。陶器で有名な景徳鎮市に本社を置き、再利用出来ない陶片を利用し、レンガやタイルなどの建材製造を行うサプライチェーン構築を行った「Yi Design」が見事1位を獲得した。
Kering Generation Award Ceremony, PhaBuilder Credits: Kering
ケリング・ジェネレーション・アワード授賞式で2位を獲得した「PhaBuilder」。(写真提供: ケリング)
2位は、最先端の合成生物学テクノロジーを使い非食糧由来のバイオマス廃棄物からポリヒドロキシアルカン酸(PHA)などの革新的素材を作る技術開発に取り組む「PhaBuilder」が受賞。また、スマートフォンで職人による皮革製品の修繕を依頼できるデジタルアプリを運用する「Cobbler's Suggest」が3位に選ばれた。
3社は今後、パリのケリング本社を訪問し、サステナビリティ専門家のガイダンスや毛リンググループのサステナビリティ推進の取り組みを経験する。
賞を授賞したケリングのフランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)会長兼CEOは、「サステナビリティは必要不可欠なものであり、事業の成功にもつながるリーダーシップの機会でもある。複雑化する地球規模の課題に直面するなか、産業界で協力を進め、解決策の模索に向けて力を結合させていく必要がある」とコメントを発表。
さらに、「中国におけるケリング・ジェネレーション・アワードの成功は、国を超えたサステナビリティ・イノベーションの推進が昨今の環境課題を解決に導く一つの策であることを証明している」と加えている。
またマリー=クレール・ダヴー(Marie-Claire Daveu)チーフ・サステナビリティ・オフィサー兼国際機関渉外担当責任者は、「3回目を迎える今回は、“Coming Full Circle”をテーマに、製品や原料の製造・使用および寿命の延長のあり方を捉え直す中国スタートアップ企業の取り組みを支援する目的でアワードを開催した」とした上、「(アワードを通じ)多くの企業による真の革新的な影響をもたらす優れた洞察やソリューションを目にすることができ、興奮している。今後も本アワードが国際的な企業間をつなぎ、変化を加速し続けることを期待している」と語った。
Kering Generation Award Ceremony, Cobbler's Suggest Credits: Kering
3位に選ばれた「Cobbler's Suggest」。(写真提供: ケリング)