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ランウェイコレクション、“編集”すべき6つの理由

By Don-Alvin Adegeest

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ファッション

Image: Bottega Veneta atm F23 016 via Spotlight Launchmetrics

「創造性とは、浪費した時間の残り物である」というアインシュタインの言葉が正しいとするならば、キャットウォークはさもなければ陽の目を見ることがなかったかもしれない新しいアイデアを試す絶好の舞台である。とりわけ、その内容に手を加えるのに慎重で、アイデア全部を複数の方法で試すことにこだわるデザイナーなら言うまでもない。

華やかなファッションショーは同時に、つまらないものにもなり得る。シーズンごとに開催されるファッションウィークに参加するため4週連続で世界各地を飛び回り、多い時には1日に8回もショーを見なければならないバイヤーやファッションジャーナリストたちにとって、見た目がさほど変わらない服やアイデアが不必要にリピートされるキャットウォークは、最悪のプレゼンテーションといっても過言ではない。複雑すぎるショーを避け、革新性や目新しさで観客を魅了する。それこそが最も優れたコレクションの真髄だからだ。

そこで出てくるのが、 できるだけ多くの客層に商品をアピールしたいという気満々のラグジュアリーブランドがしばしば陥る、“編集放棄”という問題である。「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」にいたるまで、一つのショーで80〜100点以上のルックスが登場し、しかもその大半は耐え難いほどに同じような服であるというなんとも気怠いコレクションは、決して稀ではない。ラグジュアリーブランドは、限られたテーマに基づいて、さまざまな(多すぎる)ルックスのバリエーションを見せる傾向があるからだ。

本記事では、ファッションブランドがランウェイコレクションを編集し、メリハリを効かせたキャットウォークを企画すべき6つの理由を説明する。

量より質

コレクションを編集し、余計なルックスを取り除くことで、ディティールや生地、製法などにより注目が集まる優れた服作りに集中できる。

プレゼンテーションの向上

点数の絞りこみは、より一貫性があり整理されたプレゼンテーションにつながるだけでなく、観客に一点一点じっくり鑑賞する機会を与えることで、彼らのデザイナーのビジョンの理解を深めることができる。

時間とリソースの節減

大規模なコレクションは制作に時間がかかる上、コストも高い。発表点数を抑えることにより、時間やリソースを節減し、その分より完成度の高いデザイン制作への投資が可能となる。

消費者ニーズへの対応

移り変わりの速い現代のファッション業界において、消費者は自分のワードロープに加えられる、ユニークで一際目を惹く服を求めている。より販売につながり、時を超えて支持されるルックスをデザインするためにも、質の追求は重要である。

可用性の追求

ラグジュアリーブランドの店頭でよく売れるのは、ハンドバッグや靴、アクセサリー、ビューティーアイテムといったカテゴリの商品だ。実際、売り場スペースのほとんどが、こうした商品に割かれている。反面、キャットウォークで登場するルックスは販売目的というよりイメージのために作られているため、全てのルックスが店舗に並ぶこととは滅多にない。

サステナビリティ

大量生産が非難されているファストファッション同様、ショー以外に使い道のない服を過剰に作る行為は、ファッション業界全体の廃棄衣料品問題に加担しているに等しい。

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