アップルとイッセイ ミヤケが『iPhone Pocket』を発表、テクノロジー大手によるファッション界への新たな挑戦

携帯電話にストラップを付けるトレンドに続き、イッセイ ミヤケとアップルが、スマートフォンを収納するためのメッシュバッグ『iPhone Pocket』を発表した。

『iPhone Pocket』は、あらゆるiPhoneモデルに対応する3Dニット構造が特徴である。アップルが共同開発したこの新製品の魅力は、iPhoneだけでなく様々なアイテムにフィットする点にある。『a piece of cloth（一枚の布）』というコンセプトに着想を得ており、その3Dニットデザインは、あらゆるスマートフォンやポケットサイズの小物に適応する。

『iPhone Pocket』は、イッセイ ミヤケ独自のプリーツを彷彿とさせるリブ編みのオープンな構造を持つ。追加のポケットを作るというアイデアから生まれたそのミニマルなデザインは、スマートフォンを完全に包み込み、他の日用品も収納できるよう伸縮する。

伸縮させると、透かし編みのテキスタイルから中身がのぞき、iPhoneの画面を確認することも可能だ。『iPhone Pocket』は、手で持つ、バッグに取り付ける、あるいは直接身につけるなど、様々な方法で着用できる。ショートモデル（159.95ユーロ）は8色、ロングモデル（249.95ユーロ）は3色で展開される。

「『アップルとイッセイ ミヤケは、クラフツマンシップ、シンプルさ、そして喜びを尊重するデザインアプローチを共有している』と、アップルのインダストリアルデザイン担当バイスプレジデント、モリー・アンダーソンはプレスリリースで述べている。

ミヤケデザインスタジオのデザインディレクターである宮前義之は、「『iPhone Pocket』のデザインは、アップル製品特有の普遍的な美学と多用途性を尊重しつつ、iPhoneとユーザーとのつながりを体現している。それは『自分らしくiPhoneをまとう喜び』というコンセプトを探求し、より自由な発想と個人的な解釈の余地を残す、明確な枠組みにとらわれないアイデアである」と語る。

エルメス、ナイキ、バレンシアガ：アップルのテクノロジーとファッションが融合する時

テクノロジー大手であるアップルとファッションブランドとのコラボレーションは、今回で4度目となる。過去の事例としては、エルメスとの『Apple Watch Hermès』（2015年～）、ナイキとのスポーツとテクノロジーの融合（Nikeスポーツバンド、Nike Globe文字盤、Nike Run Clubアプリ）、そしてバレンシアガとの『Apple Vision Pro』ヘッドセットによる没入型デジタル体験が挙げられる。

さらに、アップルは2025年10月にパリで開催された『Design Miami』において、『Designers of Tomorrow』を立ち上げた。この取り組みは、創造的なプロセスにアップルのテクノロジーを活用する新進気鋭の才能に光を当てるものである。