ベトナム人デザイナーのファン・フイ、パリ・オートクチュール・ウィーク史上最年少デザイナーに選出

わずか26歳にして、ファン・フイはごく一部のデザイナーしか成し得ない偉業を達成した。パリ・オートクチュール・ウィークでの発表デザイナーに選出されたのである。1月29日に予定されている彼のショーは、個人的な躍進であるだけでなく、ベトナムにとっても歴史的な快挙となる。オートクチュールの公式カレンダーに、初めてベトナムの公式代表が名を連ねることになるからだ。

パリ・オートクチュール・ウィークは、世界のファッション業界において最も厳格に管理されたプラットフォームの一つであり続けている。フランス・オートクチュール・モード連盟（Fédération de la Haute Couture et de la Mode、以下FHCM）によって運営され、参加は少数の正会員と、シーズンごとに招待される数名のゲストデザイナーに限定される。プレタポルテのファッションウィークでは20代後半から30代前半のデザイナーが注目を集めることが増えているが、オートクチュールは例外である。クチュールのスケジュールで発表するクリエイティブ・ディレクターや創業者は、通常キャリアを数十年積んだ40代、50代、あるいはそれ以上の年代だ。こうした背景を考えると、ファン・フイが26歳で選出されたことは、統計的にも文化的にも異例のことと言える。

この快挙は、一夜にして得られた知名度によるものではなく、集中的かつ計画的な積み重ねの結果である。パリでのデビューの背景には、長年にわたるリサーチ、実験、アトリエの発展、そしてベトナムの熟練した職人との緊密な協力関係がある。ブランドの作品は、手織り、刺繍、天然の植物染めといったベトナムの伝統技術を取り入れつつ、レーザーカットによるパターン作成や現代的なクチュールの縫製技術といった現代的なプロセスを融合させている。その結果、伝統に根ざしながらも未来を見据えたデザイン言語が生まれ、これは国際的なファッション機関がますます求めるバランス感覚でもある。

クラフトとデザイン

より広い視点で見れば、ファン・フイのパリでの存在は、世界の舞台におけるベトナムファッションの認識が変化しつつあることを示唆している。ベトナムは製造技術の高さで広く知られているが、ラグジュアリーやクチュールの分野ではその存在感が薄かった。今回のデビューは、その不均衡に挑戦するものであり、ベトナムの職人技術が技術的に優れているだけでなく、クチュールのレベルにおいて創造的かつ概念的にも競争力があることを示している。

また、この出来事は、緩やかではあるが業界全体で進行している広範な進化を反映している。オートクチュールはその性質上、排他的であり続ける一方、近年のシーズンでは新たな地域や若い才能、特に独自の文化的背景や職人技の深みを持つデザイナーに対して、慎重ながらも開かれた姿勢を見せ始めている。ファン・フイの選出は、伝統を原動力とするデザインが現代的な表現と結びつくことで、ファッション界で最も伝統的な舞台においてさえも共感を呼ぶことができることを示唆している。

このクチュールハウスは、スタイリスト兼デザイナーのスティーブン・ドアンとクリエイティブ・ディレクターのファン・フイによって2023年に設立された。その明確な使命は、ベトナムの伝統と革新を通じて現代のラグジュアリーを再定義することである。ベトナムに拠点を置くアトリエがそのビジョンの中心にあり、テキスタイルの伝統を守りながら、それを新たな技術的・美学的領域へと押し上げている。