H&M、業界初の再生材「サーキュロース」使用のドレス発売へ

スウェーデンのH&Mグループ（H&M Group）は今春展開予定のサステナブル素材のコレクション「コンシャス ・エクスクルーシブ（Conscious Exclusive）」で新再生素材「サーキュロース（Circulose）」を使用したワンピースを発売する。 同素材は廃棄衣料から作られた化学リサイクル繊維で、特許も取得している。H&Mグループによると「サーキュロース」を使用した衣料品が大規模に販売されるのは今回が初という。

H&Mグループは2017年に「サーキュロース」の開発・製造元であるニューセル（re:newcell ）社とパートナーシップを開始し、同素材の開発を支援してきた。

H&Mグループが“ユニークで革新的”と語る「サーキュロース」は木材由来原料の代替品で、商業規模で製造できる上、質も新生素材に劣らないという。今回発売されるワンピースではリサイクルジーンズから作られた「サーキュロース」を原料の50％使用し、残りの50%はFSC(森林管理協議会)の認証を受けた木材由来のビスコースを使用する。ワンピースは今春より世界で販売される。

「コットンやビスコース繊維のリサイクルはそれ自体に加えて、その工程においても再生エネルギー活用による水や化学薬品のクローズループを使用しているため循環型のファッション製造に貢献できる」とH&Mグループはコメントを発表している。

H&Mグループの投資会社であるコーラブ（ CO:LAB ）のエリック・カールソン（Erik Karlsson）サステナブル・ファッション担当投資マネージャーは報道資料で「完全循環型のビジネスを追求するというビジョンを共有するリニューセル社とのコラボレーションを誇りに思う。開発当初から支援してきた“サーキュロース”を使用した初の衣料品が世にでることを嬉しく思う」とコメントを発表した。

リニューセル社のパトリック・ランドストロム（Patrik Lundström） CEO は「 今回の発表はファッション小売業界にとっての一つの大きい出来事となったと思う。このたび初めて消費者が店に訪れ“サーキュロース”から作られた服を買うことができるようになった。この成果をサステナビリティ向上に向けて大胆な取り組を展開する H&Mグループとのパートナーシップにより実現できたことを大変誇りに思う。二社の協働により、商業規模での“テキスタイル・トゥ・テキスタイル（繊維から繊維）”のリサイクルが実現可能であるということが証明された」とコメントしている。

写真クレジット: H&Mグループ