パリを拠点とするAIファッション予測企業Heuritechは、数百万ものソーシャルメディア画像を分析し、次シーズンの主流となるスタイル、カラー、素材を予測している。2026年春夏シーズンに向けて、同社は10の注目すべきトレンドを特定した。本稿では、その中からいくつかのトレンドをランウェイのルックとともに紹介する。

トレンドカラーはパープル、新たなニュートラルカラーとしてクリーミーイエローが登場

HeuritechのSS26トレンド分析によれば、今シーズンのトレンドカラーはパープルであると断言されている。同社によれば、ライラックからオーベルジーヌ（ナス色）まで、この色は個性、精神性、そして感情表現を象徴するという。このトレンドカラーは、ウィメンズウェアだけでなくメンズウェアでも存在感を増している。この見解は、パントン社が発表したSS26のロンドン・ファッション・ウィーク（LFW）およびニューヨーク・ファッション・ウィーク（NYFW）のカラーカードでも裏付けられており、そこでもパープルが際立っていた。

さらに、「Creamy Yellow（クリーミーイエロー）」や「Popcorn Yellow（ポップコーンイエロー）」とも表現されるライトイエローが、新たなニュートラルカラーとして浮上している。

モカシン

オランダのトレンド予測家、リドヴィッチ・エデルコートは、スニーカーに代わってモカシンが主流になるとすでに予見している。同様に、Heuritechもモカシンやローファー、ボートシューズといった類似のフットウェアが人気を集めていると分析しており、特に女性の間では人気が40%も上昇した。この背景には、ミュウミュウ、ケメナ・カマリがディレクションするクロエ、そしてイザベル・マランがランウェイで発表した美しいデザインの影響が挙げられる。

ゼブラ＆ダルメシアン柄

SS26のアニマルプリントでは、レオパード柄に続き、ゼブラ柄およびダルメシアン柄が最も勢いを増している。米国では、2026年にゼブラ柄の人気が17%上昇すると予測されており、特に26歳から35歳の消費者層で顕著である。また、スネークスキン、クロコダイル、カウプリントもトレンドとなっており、特にカウプリントはSS26の「IT」プリントと目され、米国の女性消費者の間で87%の成長が見込まれている。

ロマンティックな素材

Heuritechによれば、2026年春夏シーズンのキーマテリアルとして、レース、サテン、そしてシアー素材が挙げられる。特にレーススカートのようなアイテムがこのトレンドを牽引している。このアイテムは、米国で13%、EUで20%の人気上昇が見込まれており、ロマンティックでフェミニンなシルエットへの消費者の関心の高まりを反映している。

チェック柄＆ポルカドット

柄やプリントでは、チェック柄かポルカドットが注目される。特にギンガムチェックは、男女ともにその存在感を大幅に増すと予測されている。ヨーロッパでは、このパターンの人気が男性で17%、女性で31%それぞれ上昇すると見込まれる一方、米国では女性で22%、男性で4%の増加が予想される。

一方、ドット柄はより急激な上昇を見せる見込みだ。ヨーロッパでは、SS26シーズンに大きなドット柄の注目度が55%増加し、米国では33%の増加が予測されている。

その他、Heuritechが挙げるSS26の主要トレンドには、ローデニム、ラッフルやプリーツヘム、そして「The New Raw」トレンドが含まれる。「The New Raw」トレンドとは、実用性とシティシックを融合させ、機能的かつスタイリッシュでありながら快適なデザインを特徴とするものである。