今注目のフットウェアデザイナー：アニー・パーディ

インタビュー

英国のフットウェアデザインが復興期を迎えている。その中心にいるのは、イノベーション、クラフツマンシップ、そしてサステイナビリティをデザインの核に据えようとする新世代のデザイナーたちだ。この再興を牽引するのは、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション（LCF）およびロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業した新進デザイナー、アニー・パーディである。彼女は2023年の「コードウェイナーズ・フットウェア・アワード」でサステイナブル・デベロップメント賞を受賞し、今年初めには権威ある「ポルトガル・フットウェア・グラデュエート・アワード」も獲得した。

ポルトガル履物協会（APICCAPS）が主催するこのコンペティションでは、LCFの卒業生に対し、サステイナブルな製造技術に取り組み、リサイクル素材、生分解性素材、または代替素材の活用機会を探りながら、「独創的な発想とポルトガルにおける製造能力の限界を押し上げる」5点のカプセル・フットウェア・コレクションをデザインするという課題が与えられた。

この課題に対し、壊れた湯たんぽや廃棄されたテント、破れたカイトといった素材をアップサイクルするサステイナブルな創造性で知られるパーディは、アウトドアを愛する女性のためのコレクションをデザインした。主にポルトガルの工場で廃棄される予定だったデッドストック素材を活用している。

「私の前回のコレクションは『Hot Girls Hike』というタイトルでした。私はランニングのペーサーとしても活動しており、まるで私の2つの世界が衝突したようでした。その感覚をフットウェアに取り入れたいと考えています」と、パーディはロンドン・ファッションウィーク期間中に行われたAPICCAPSとのカプセルコレクションの発表会でFashionUnitedに語った。「このカプセルコレクションは、女性とアウトドア、そしてラグジュアリーなフットウェアを愛する人々のための、真のセレブレーションなのです」。

パーディがAPICCAPSのために手がけたコレクションは、フットウェアを機能的なオブジェであると同時に、物語を語る媒体として探求し、「レジリエンス、適応性、そして現代文化」というテーマに基づいている。その結果、セクシーなカットアウトディテールが施されたライディングブーツ、メタリックグリーンが印象的なスタイル、スクエアトゥのフラットシューズやブロックヒール、デッドストック素材を用いてユニークなパターンのソールを生み出したハイキングブーツ、そしてプラットフォームのニーハイブーツなど、既成概念に挑戦する6点のカプセルコレクションが完成した。

「デッドストック素材を扱うことで、レジリエンスと適応性について深く考えることを余儀なくされました」とパーディは付け加える。「LCFとRCAの修士課程での時間を通じて、プロセスは結果と同じくらい重要であること、つまり、長寿命、機能性、そして責任をデザインの初期段階から組み込むことの重要性を学びました。これらの課題は、一人のデザイナーだけで解決できるものではありません。共有された専門知識、分野横断的なアプローチ、そしてサプライチェーン全体を通じたオープンな対話が必要です」。

パーディの受賞コレクションについて、APICCAPSのコミュニケーションディレクターであるパウロ・ゴンサルヴェスは次のように述べている。「アニーの選出は、APICCAPS、学校、そして審査員も務めたデザイナーのビアンカ・サンダースの代表者たちが集まったプロセスの一環でした。私たちは複数の若手デザイナーの提案を検討しましたが、アニーのプロジェクトがその創造性と国際的なビジネス視点で際立っていると感じました」。

「それは、デッドストック素材の利用を通じて循環型経済を促進すると同時に、高品質なフットウェアの生産を推進するという、ポルトガルのフットウェア業界のビジョンと完璧に一致しているように思えました」。

アニー・パーディ – 2025年ポルトガル・フットウェア・グラデュエート・アワード受賞者

FashionUnitedはパーディに、彼女の創造的なプロセスとデザインにおけるアップサイクルの重要性、ファッションとフットウェアを学ぼうと思った理由、そして未来のフットウェアデザイナーへのアドバイスについて話を聞いた。

セントラル・セント・マーチンズ、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの卒業生として、ファッションを学びたいと思ったきっかけ、そしてなぜフットウェアを選んだのですか？

ファッションは常に私にとってアイデアや価値観を伝える手段でしたが、フットウェアに焦点を当てたのは、それが機能、アイデンティティ、そして動きの交差点に位置するからです。靴は、私たちがどのように生きているかの痕跡を物理的に刻み込みます。私は、履き古され、修理され、大切にされ、あるいは捨てられるオブジェクトとしての靴に興味があります。だからこそ、靴は消費、価値、そして素材の第二の人生を問うための完璧なキャンバスとなるのです。

ポルトガル・フットウェア・グラデュエート・アワードの受賞は、あなたにとってどのような意味がありましたか？

非常に意義深いものでした。私の技術が認められただけでなく、フットウェア業界にサステイナブルなイノベーションと消費者から廃棄された素材のための場所があることを示してくれたからです。この受賞は、従来の生産方法や素材の廃棄に挑戦し続ける自信を与えてくれました。

APICCAPSとのフットウェアコレクションのインスピレーションは何でしたか？

ポルトガルの伝統的なクラフトと、新たに生産するのではなく素材をいかに再創造できるかという点にインスパイアされました。伝統的な靴作りの技術と、消費者から廃棄されたものから再生された部品を融合させたいと考えました。つまり、廃棄された素材も、丁寧に扱えば価値と美しさを持ち続けられることを示したかったのです。

APICCAPSチームとの仕事で何を学びましたか？デザインにレザーを使用したのはどのような経験でしたか？

APICCAPSチームとの協業を通じて、素材のトレーサビリティと責任ある調達についての理解が深まりました。レザーを使用する際は、可能な限り新たな生産を避けるため、余剰在庫やデッドストックの革に焦点を当てました。この経験から、特に廃棄物を最小限に抑え、すべての端材を考慮に入れることで、伝統的な素材が循環型の考え方と共存できることを学びました。

どのようにしてサステイナビリティをフットウェアデザインのプロセスの中心に据えているのですか？

サステイナビリティは、すでに存在する素材から始まります。私は消費者から廃棄されたもの、産業廃棄物、そして廃棄素材から取り出した部品を優先的に使用します。そこから、修理、分解、そして長寿命を念頭に置いてデザインします。私にとってサステイナビリティとは、新しいエコ素材を購入することよりも、すでに流通しているものの寿命を延ばすことなのです。

卒業コレクションでは、アップサイクルされたフットウェアに焦点を当てていましたが、今後もそのような作品を見ることができますか？

もちろんです。アップサイクルされたフットウェアは、特にアウトドアやハイキングカルチャーという視点を通して、私の仕事の中核であり続けます。履き古されたハイキングシューズやブーツを分解し、使用の痕跡を研究し、その歴史を保ちながら新しいものに再構築することに興味があります。

チャリティショップやリサイクルセンターから、あるいはハイカーから寄付された、すでに何マイルも旅してきた靴を手に取り、それに新しい命を吹き込むことには、何か力強いものがあります。私にとってそれは、パフォーマンスと目的はすでに存在するもから生まれること、そして「中古」が旅の終わりを意味しないことを証明することなのです。

湯たんぽから靴を製作したこともありますが、それはどのようにして生まれたのですか？また、何か課題はありましたか？

そのアイデアは、快適さ、ケア、そして私たちが見捨ててしまうモノについて考えていたことから生まれました。湯たんぽは穴が開いたり使われなくなったりすると捨てられがちですが、そのゴムは耐久性があり、可能性に満ちています。この素材を扱うのは技術的に困難でした。動き、伸び、接着剤に抵抗します。しかし、それらの課題が、私に構造を再考させ、不完全さを受け入れることを可能にしてくれました。

今後、どのような素材を扱ってみたいですか？

リサイクルフォーム、再利用された高機能テキスタイル、消費者から廃棄されたプラスチック、バイオベースのゴム、そして農業廃棄物繊維などを探求したいです。特に、廃棄物とイノベーションが融合したハイブリッド素材に興味があります。それは、修理が可能であったり、寿命を迎えたときに安全に生分解されたりするものです。

フットウェアデザインの世界を目指す人に、どのようなアドバイスをしますか？

靴作りの基礎を学び、しかしそれを文字通り解体することを恐れないでください。古い靴を分解し、どのように作られているかを研究し、なぜ捨てられたのかを問いかけてください。

フットウェアデザインとは、単に新しいものを創造することだけではなく、すでに存在するものを再考することです。好奇心を持ち続け、機知に富み、廃棄物を価値ある素材として扱ってください。