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「ケンゾー」の新アーティスティックディレクター就任のNigo、デビュー作を披露

By Danielle Wightman-Stone

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ファッション

画像: Kenzo

「ア ベイシング エイプ(A BATHING APE)」創業者として知られるデザイナー、Nigoをアーティスティックデザイナーに迎え新たな始まりを迎えた「ケンゾー(KENZO)」が、このほど2022秋冬パリ・メンズ・ファッションウィークでデビュー作となる「リアル・トゥー・ウェア(Real-to-Wear)」コレクションを発表した。

Nigoは昨年9月、LVMH傘下の「ケンゾー」にフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveira Baptista)の後を継ぎ、創業者である髙田賢三以来初となる日本人アーティスティックディレクターに就任した。パリ・メンズ・ファッション・ウィークでも一際注目を集めたNigoの初コレクションはプレッピーなシルエットや現代的なフローラルプリントをふんだんに使い、期待を裏切らない仕上がりであった。

「ケンゾー」によると、今回発表された2022年秋冬のメンズ&ウィメンズコレクションは、Nigoの「ケンゾー」に対するビジョンを披露したものだという。またコレクションは「ケンゾー」のヘリテージとNigoの現代的なコードの出会いであり、毎月発表予定の限定ドロップシリーズを通じてメゾンのブランドストーリーを紡いでいくとしている。

さらにコレクションではNigo本人の生い立ちやキャリアの影響、髙田賢三への称賛を込めながら、「ケンゾー」の過去のコレクションにも着目。フォーマルウェア・スポーツウェア・ストリートウェアを一つにまとめつつ、日米両方の文化を取り込んだテイラーリングや作業着、ジェンダーレスなシルエットを豊富に取り揃えたという。

画像: Kenzo

かつての進駐軍が使用していたとされる着物の生地のジャケットをモチーフにしたスーヴェニア・ボンバー・ジャケットはウールとシルクのリバーシブルで使え、ウール面にはフランスの地図が、シルク面には日本の地図がそれぞれ刺繍されている。

シャーリングの裏地つきのナイロンのフライトジャケットはミリタリーのテーマを踏襲。一方、ヴァーシティジャケットにはNigoの生まれた1970年の数字のワッペンが入れられ、モデルの手にはKENZOタイガーのぬいぐるみが添えられた。さらに米国の学生が卒業時に同級生のメッセージを書いてもらう「グラデュエーション・ジャケット」にインスパイアされた一着には、髙田賢三氏のスケッチ原画がプリントされている。

Nigo、「ケンゾー」2022秋冬コレクションでデビュー

ニットウェアにおいては、「ケンゾー」の鮮やかな色使いにNigoの特徴的なグラフィックを掛け合わせてさまざまな色やテクスチャーを表現。米国の大学のキャンパスを思わせるチャンキーなカーディガンにはカレッジ風のワッペンやNigoがデザインした花のモチーフをあしらった。その他、フェアアイル柄のセーターやカーディガン、ベスト、ワンピース、レギンスも登場。

画像: Kenzo

目下赤絵(上絵付けを施した陶器の一種)を勉強中のNigoは、その技法を使ってKENZOタイガーを解釈。メゾンのマスコットを水彩画やグラフィック、ストライプで表現した。さらにフローラルプリントも新たに制作し、日本の作務衣に着想を得たテイラードのジャンバースカートをはじめ、さまざまな服にアクセントを加えた。

今回のコレクションでは日本のデニムにもフォーカス。パンツやジャケット、作業着をイメージした黄色いトップスティッチが印象的なサロペットをクリーンウォッシュや顔料プリントの花柄の入ったストーンウォッシュで展開。

画像: Kenzo

崩したテーラリングは髙田賢三氏のデザインでもよく見られていたが、Nigo流ではプリンス・オブ・ウェールズチェック、ピンストライプのスーツ、ハリスツイードのコートやチェックのバイカージャケットでこのヘリテージが受け継がれている。加えて、がっしりとしたカバーオールのジャケットおよび「ケンゾー」の象徴的なエレガントなポピーの花の模様を散りばめた作業着は、Nigoの「非実用的な作業着」というコンセプトを表したものだという。

アクセサリーでは、髙田賢三氏のデザインである猫のぬいぐるみのスカーフが、Nigoもよく用いるアニマルグラフィックとのマリアージュで復活。オーバーサイズのキャスケットやフィールドキャップといったアメリカン・クラシックなアイテムにも、日本人の視点で解釈を加え、ソールに花柄を入れたブローセルクリーパーのソールもお目見えした。

また以前の「ケンゾー」の過去のデザインをベースに、これまた懐かしいポップ・ブーケ模様や新たな幾何学模様の「タマリ・モノグラム」パターンを施したバッグも発表。加えて、髙田賢三氏へのトリビュートとして本人の直筆の文字をかたどったメダルがさまざまなアイテムに取り入れられた。

画像: Kenzo
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