パントン、2026年のカラー・オブ・ザ・イヤーに「クラウドダンサー」を選出

2026年のファッション業界は、まるで雲の上を漂うような軽やかさに包まれるだろう。これは、米国の色彩専門企業パントンが木曜日に発表した予測であり、来年のカラー・オブ・ザ・イヤーに「Cloud Dancer（クラウドダンサー）」を選出した。

この色は、そのシンプルさの中に静けさと透明感を宿し、新たなアイデアが生まれる余白を感じさせる、軽やかで明るいホワイトである。変化と情報過多の時代において、この色合いは意識的な静寂をもたらす。Cloud Dancerは、心地よさへの希求を反映した2025年の温かみのあるブラウンカラー、Mocha Mousseの後継となる。

パントン・カラー・インスティテュートのバイスプレジデントであるローリー・プレスマンは、Cloud Dancerを「白紙のキャンバス」と表現し、古いものを脱ぎ捨て、新たなコンセプトのための余白を生み出す色合いであると述べている。「創造性のための空間を切り開き、想像力を解き放ち、新たな洞察や大胆なアイデアを生み出す軽やかなホワイトだ」とプレスマンは説明する。

この繊細なホワイトトーンは、意図的に要素を削ぎ落とし、集中力と内なる平穏のための空間を創出する。パントン・カラー・インスティテュートのエグゼクティブ・ディレクターであるリアトリス・アイズマンは次のように強調する。「変化の時代において、Cloud Dancerは集中力を維持する助けとなる。これは、外部の喧騒から解放された空間を作り出し、それによって明晰さをもたらす、シンプルさへの意識的なステートメントである」。

視覚的に、Cloud Dancerは多層的な効果を発揮する。カラーコード「Pantone 11‑4201」を持つこの色は、カラースペクトルの基盤をなす重要な要素である。構造を与え、他の色を引き立て、調和のとれた組み合わせや意図的なコントラストを可能にする。色が個人のアイデンティティを表現する手段として重要性を増す現代において、Cloud Dancerは高い順応性を持ち、軽やかさを生み出し、単独でも他の色との組み合わせでもその魅力を発揮する。

予想外の選出となったトレンドカラー？

静けさや情報過多からの解放を求めるニーズは多くの人が歓迎する変化である一方、Cloud Dancerの明るさは一部の人々にとって意外な選択だったかもしれない。公式発表前、パントン・カラー・インスティテュートのウェブサイト訪問者は、カラー・オブ・ザ・イヤーの予測を投票することができた。その結果、大多数にあたる約32%がグリーンを選んでいた。パントンによれば、グリーンは「深い森と広大な草原」を象徴する色である。

自然への意識は一部の人々にとどまらず、来たるべきシーズンのトレンド予測においても重要な要素となっている。トレンド予測機関のWGSNおよび色彩の専門家集団Coloroは、すでに2023年の段階で「Transformative Teal」が2026年に中心的な役割を果たすと予測していた。このブルーグリーンの色合いは、環境への責任、静けさ、そして変容を象徴し、自然の多様性を反映している。

しかし、自然からの影響は色の選択にとどまらない。WGSN、プルミエール・ヴィジョン、Future Snoopsといったトレンド予測機関や、リドヴィッチ・エデルコート、ヤン・アゲリンクなどの専門家は、2026年に向けて自然界からインスピレーションを得た素材やシルエットへの移行が進むと予測している。藻類、菌類、セルロース由来のバイオベース素材が、アルパカやモヘアといった伝統的なウール繊維と並んで重要性を増している。これらの素材は、保護機能、快適性、そして自然との感覚的なつながりを提供する、サステイナブルで再生可能な衣服への需要に応えるものである。

パントンは2000年以来、広範なトレンド調査に加え、社会的、経済的、政治的、文化的な影響を総合的に分析し、毎年カラー・オブ・ザ・イヤーを発表している。過去のカラー・オブ・ザ・イヤーには、Mocha Mousse（2025年）、Peach Fuzz（2024年）、Viva Magenta（2023年）、Very Peri（2022年）、Ultimate GrayおよびIlluminating（2021年）、Classic Blue（2020年）が挙げられる。