Pinterest、AIアシスタントを発表 ショッピング体験を革新

ソーシャルメディアプラットフォームのPinterestは、オンラインでのショッピングと発見の方法を革新するために設計された、初のAI搭載ビジュアルファーストアシスタントを発表した。

この「Pinterestアシスタント」は、一般的なチャットボットとは一線を画す。多くの人がショッピングの際に抱える「これだ、と直感的にわかるものを探したい」という課題を解決するために設計されたAIツールである。その基盤は一般的なテキストモデルではなく、AIの視覚言語モデルに置かれている。

Pinterestアシスタントは、リアルタイムかつ複雑な対話形式の表現を活用する。約6億人に上る月間アクティブユーザーのコンテンツおよび行動データを基に、パーソナライズされた「プロアクティブな（先回りした）」レコメンデーションや購入可能な商品をプラットフォーム上で提供する。これにより、ユーザーはチャットや共同作業をしながら、新たな発見やショッピング体験が可能となる。

Pinterestによれば、この動きはマルチモーダル検索を拡張するための進化であるという。これにより、ユーザーは単純なテキスト検索にとどまらず、より自由な質問を投げかけることが可能になる。また、画像、音声、テキストの間で文脈がシームレスに連携するようになる。

「音声による対話が可能になることで、Pinterestでの検索はさらにビジュアルになり、人々が実店舗で買い物をする感覚に一層近づく」と、同社は声明で述べている。

Pinterestによれば、この新しいAIツールは「まるで完璧な新しいルックを提案してくれる親友」のように設計されている。ユーザーの「パーソナル・コラボレーター」として機能し、発見、インスピレーション、ショッピングを一つの場所で完結させることを可能にする。

Pinterestの最高経営責任者（CEO）であるビル・レディは次のように述べている。「特にZ世代のユーザーは、Pinterestの魅力を『私のことをよくわかってくれる』点にあると語る。それは完璧なコーディネートを見つけることであったり、自分ならではのスタイルを理解してくれることであったりする」

「Pinterestアシスタントによって、我々はその魔法のような体験をさらに加速させる。AIを活用することで、ユーザーがまるで自分を最もよく知る人物と一緒にいるかのように、新たな発見やショッピングを楽しめるよう支援する」

Pinterestによれば、このAIアシスタントはプラットフォーム上でのより対話的な体験を促進することを目的としている。このツールは、ユーザーが保存したピンやボード、コラージュ、さらには類似のテイストを持つ他のユーザーのデータを参照し、個々のデザインの美学に合わせたコンテンツを提案する。

Pinterestアシスタントは、まず米国の18歳以上のユーザーを対象にベータ版として提供が開始され、今後数週間から数ヶ月かけて順次提供範囲を拡大していく計画だ。アシスタントと対話するには、マイクのアイコンをタップし、友人にボイスメッセージを送るように探しているものを話しかける。すると、アシスタントがパーソナライズされたビジュアルな検索結果を返信する仕組みである。