ルルレモンが『LULULEMON DUPE』を商標登録、模倣品対策の新戦略か

意表を突く動きとして、ルルレモン・アスレティカ社は米国特許商標庁から『LULULEMON DUPE』の商標登録を認められた。これは、同アスレチックブランドの模倣品への取り組み方に変化が生じる可能性を示唆するものである。

The Fashion Lawが最初に報じたところによれば、カナダを拠点とする同ブランドは、アパレル、フットウェア、ヨガ、およびアスレチックアクセサリーに関連する小売・広告サービスを対象として2024年12月に出願していた『LULULEMON DUPE』の商標を、10月21日に正式に取得した。

この商標登録は、当初は使用意思に基づいて出願された後、ベネルクスでの外国登録の所有権に基づく44条(e)項に更新されたものであり、これを受けて多くの専門家がルルレモンの今後の活用法について憶測を巡らせている。

一部では、ルルレモンがこの商標を取得したのは、他の第三者や模倣品ブランドがマーケティングや販売でこの名称を使用するのを防ぐための先制的な措置であると考えられている。というのも、今回の『LULULEMON DUPE』の登録は、同ブランドが今年8月にアパレル、フットウェア、ヘッドウェア、ヨガ、およびアスレチックアクセサリーに関連する実店舗・オンライン小売サービス用として『DUPE SWAP』の商標登録を確保した直後に行われたからである。

The Fashion Lawは、ルルレモンが「dupe（模倣品）」という言葉を逆手に取り、ブランド資産として活用することで新規顧客層へのアプローチを狙っていると推測している。これらの商標出願は、2023年にロサンゼルスで開催されたポップアップイベントに続く動きである。このイベントでは、顧客が模倣品や偽物のルルレモン製レギンスを本物のAlignレギンスと交換できる企画を実施し、約1,000人の顧客を集めた。

米国および国際商標弁護士のアリス・デネンバーグ氏はLinkedInで、ルルレモンの狙いはブランドマーケティングよりも戦略的な権利行使にあるとの見解を示した。同氏は、ルルレモンの商標登録がベネルクスの外国登録に基づいている点を指摘し、米国でこの商標の下で製品が販売またはマーケティングされる可能性は極めて低いと述べている。

デネンバーグ氏はさらに、この商標はソーシャルメディア上や第三者販売業者に対して『dupe』という言葉への法的執行力を得るために、外国登録制度の限界を試すものであると付け加えた。ただし、ルルレモンがカナダ発祥であることや、ベネルクスでの明確な商業的基盤の証拠なしに同地域の登録を利用している根拠が疑わしいことから、登録の有効性には異議が唱えられる可能性がある。

これらの商標は、ルルレモンが第三者販売業者やコストコのような大手企業を含む模倣品販売者との法廷闘争を続ける中で取得された。また、著作権侵害に対するこの革新的な動きは同ブランドだけのものではなく、同じくカナダのウィメンズウェアブランドであるアリツィアも2025年3月に『ARITZIA DUPE』の商標を出願している。