サンローランが世界で最もホットなブランドに。成功の鍵は「一貫性」

今シーズンの業界の話題が「新たな始まり」に集中する一方で、最新のLystインデックスは、消費者が全く異なるもの、すなわち「一貫性」を求めている可能性を示唆している。クリエイティブディレクターの交代やブランドの方向転換が相次ぐ中、確かなことが一つある。それは、現在成功を収めているブランドは、自らのアイデンティティを明確に理解し、そのビジョンに忠実であり続けているという点だ。

その一つがサンローランである。英国のファッション検索エンジンLystが水曜日に発表したところによれば、このフランスのラグジュアリーブランドは2025年第3四半期に初めてLystインデックスの首位を獲得した。これにより、デザイナーのアンソニー・ヴァカレロが率いる同ブランドは、これまで首位だったミュウミュウを抜いてトップに躍り出た。

しかし、ミュウミュウにとってこれは大きな後退ではなく、むしろ緩やかな調整と言える。順位を一つ下げた2位に留まっているからだ。対照的なのがロエベである。年初には、ジョナサン・アンダーソンのディオールへの移籍報道がブランドを首位に押し上げたが、現在はクリエイティブディレクター不在の影響を大きく受け、6ランクダウンした。

一貫性とミニマリズム

サンローランの魅力は、その緻密さ、シャープなシルエット、そしてブランド特有のクールな官能性にある。Lystによれば、この明確なアイデンティティと時代を超越した魅力が、成功の大きな要因となっている。さらに、同メゾンは今四半期で2番目に人気の商品、シューズ「Le Loafer」も生み出した。この商品の検索数は前月比で66%増加し、1位のハワイアナスのビーチサンダルに次ぐ人気を見せている。

また、データは、価格帯を問わず、シンプルで高品質なアイテムを求める消費者の間で、ミニマリズムと抑制の効いたスタイルが引き続き支持されていることを示している。中でも最大のサプライズは、H&Mグループ傘下のCOSの躍進であろう。同ブランドは4ランク上昇し、検索数が147%増加したことで世界で3番目に人気のブランドとなった。2024年第4四半期にランクインした「Chunky Cashmere Sweater」が、今シーズン最も人気の高い商品の一つとして再び注目されている。一方、美学的には近いが価格帯の異なるザ・ロウは2ランクアップの4位に浮上し、同ブランドへの需要は今四半期で28%増加した。

ソーシャルキャピタルがインデックスを牽引

5位はコーチが維持し、需要は四半期で29%増加した。この成長は、ソーシャルメディアでの強力なプレゼンス、著名なスポーツアンバサダーの起用、近日公開予定の映画『プラダを着た悪魔2』でのプロダクトプレイスメント、およびドラマシリーズ『私たちの青い夏』とのコラボレーションが後押しした。今四半期で10番目に人気の商品となった「Empire Bag」も、ブランドの成功をさらに確固たるものにしている。

文化的な影響力から恩恵を受けるもう一つの米国ブランドがラルフ ローレンである。検索数が6%増加し、2ランクアップの9位に浮上した。その背景には、歌手のテイラー・スウィフトがストライプ柄のラルフ ローレンのドレスを着用して婚約を発表したことがあり、このドレスは今四半期で9番目に人気の商品となった。

Skimsもまた、オンラインでの話題を追い風に成功を収めたブランドの一つだ。物議を醸した「Face Wrap」のようなバイラル商品がブランドを文化的な議論の中心に据え、同ブランドへの需要は前年比で271%増加した。この熱狂は「Nipple Bra」への関心も再燃させ、8月の検索数は69%増加した。

一方、ストーンアイランドは4年ぶりにインデックスへの目覚ましいカムバックを果たした。前四半期比で115%の増加を記録し、トップ20に返り咲いた。かつてはサブカルチャーのクールさの象徴であった同ブランドだが、今四半期はブリットポップバンド、オアシスの再結成とツアーを巡るノスタルジアの波に乗り、再び脚光を浴びている。