ランウェイtoリテイル〜店頭向け注目ランウェイトレンド「レインボーカラー・ニット」
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この時期はアパレルの販売店には厄介だ。冬物のセール品にリゾート&春の新作コレクションを組み合わせて売り場を作らなければならないこの季節。それだけに各ブランドが最新ドロップにレインボーカラー・ニットのトップス、セーター、ドレスを続々投入。それはまさしく「ドーパミンドレッシング」であり、季節を超えて店内を彩る。
ドーパミンドレッシング
写真共有SNSのPinterestはその2022年のトレンド予測のなかでドーパミンドレッシングについて、「エレクトリックなアクセントのある、気分が良くなるファッションで、あらゆるジェンダーや年代で人気のトレンド」と解説。またメンタルヘルス関連メディアのverywellmind.comはドーパミンドレッシングには「ムードを盛り上げたいという意図を持って服を着飾ること」としている。洋服の色やスタイル、質感はすべて心理的な効果があり、記憶とも結びついているという。
巡りくるトレンド
1967年の夏は米国で「サマー・オブ・ラブ」として知られる。その年、サンフランシスコにベトナム戦争に抗議するため、「武器より花を」をスローガンに身体に花を飾った「フラワー・チルドレン」と呼ばれる若者10万人が集結した。この社会現象は、鮮やかなレインボーカラーをはじめとするファッショントレンドにまで発展した。
一方、90年代後半になると、ハイエンドファッションからカジュアルブランドまで、カラフルな色使いが完全になくなっていった。
しかしこれとはまったく対照的に、2000年春夏のランウェイでは赤やオレンジ、緑、黄色といった色にどっぷりと浸かった鮮やかなスタイルが再び登場。こうした20年間の歴史を振り返ると、今後もカラフルなファッションが支持を集めることは間違いないだろう。
ありのままの色で:クルーズ2022
2020年後半、デザイナーのクリストファー・ジョン・ロジャースが彗星のごとく現れた。彼は若干2年のうちに、その鮮やかな色使いで話題となった。
今春シーズンの最新作として、アパレル販売店の店頭にはこの季節にぴったりのカラフルなニットが並ぶ。「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」からはコットンのニットも仲間入りした。
春の訪れを感じる今日この頃。ファッション販売店は七色の服が冬の憂鬱を吹き飛ばしてくれると期待を寄せている。