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YouTube、初のバーチャル・ランウェイショーを配信

By Don-Alvin Adegeest

2020年5月12日

YouTube初のバーチャル・ランウェイショーの映像が先般配信され、来季のファッションウィークも追随するのではと話題になっている。YouTubeが“史上初のオンラインファッションイショー&バックステージツアー”と呼ぶこのショーのタイトルは『CR Runway and amfAR against Covid-19』。元フランス版『Vogue』の編集長で著名ファッションエディターのカリーヌ・ロワトフェルド(Carine Roitfeld)がamfAR against Covid-19(米国エイズ研究財団による新型コロナウイルスの治療薬開発助成基金)を支援する目的で企画したものだ。

ファッション界の名だたる著名人が自宅から参加し、インスピレーションやエンターテイメントを視聴者に発信した。映画監督のファビアン・コンスタン(Fabien Constant )がディレクションし、司会はYouTubeのファッション&ビューティー部門の責任者であるデレク・ブラスバーグ(Derek Blasberg)が行った。

参加デザイナーはヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)、キム・カーダシアン(Kim Kardashion)、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)、ダイアン・フォン・ファステンバーグ(Diane von Furstenburg)、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)、サイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)など。

配信された映像ではモデル達の自宅のキッチン・リビング・バルコニーに造られた仮設のキャットウォークでラグジュアリーなドレスを纏った本人達が歩く姿が披露された。モデルの着ている服は印象が薄くなってしまったが、彼らの日常生活を垣間見ることのできる映像でイベントが一層華やかになった。

ヘア&メイクのチュートリアルも披露

もう一つの見どころはモデル達のヘアスタイリング&メイクアップ。 自宅でのショー実施となったため、アレッサンドラ・アンブロジオ(Alessandr Ambrosio)、ウィニー・ハーロウ(Winnie Harlow )、ミランダ・カー(Miranda Kerr)、ステラ・マックスウェル(Stella Maxwell)などのモデル達が自宅でヘアスタイリングやメイクをしながら視聴者に向けてバーチャル解説し、ヘアスタイリストのサム・マックナイト(Sam McKnight )やメイクアップアーティストのトム・ペシュー(Tom Pecheux )のYouTubeチュートリアルさながらのビューティーレッスンを伝授。自宅のバスルームで撮影を行ったモデルのカレン・エルソン(Karen Elson)は、「この1カ月はほとんどスウェットパンツで過ごしてた。ドレスアップするきっかけをくれてありがとう、カリーヌ」とカメラ越しにカリーヌへの感謝の言葉を送った。

今回のショーが先般配信されたレディー・ガガ(Lady Gaga)主催の新型コロナ対策支援オンラインコンサート『ワンワールド(One World)』のファッション版とするなら、パンデミックの最前線で奮闘する医療従事者の功績を啓発し讃えるコンテンツとして見応えのある出来栄えとなった。一方で、コレクションの販売促進を目的とし、常に新作ドレスの披露が演出の中心にあるというファッションウィークがもたらす現実世界のエクスペリエンスの代替案としての有用性はいまだ未知である。

幾多のキャットウォークに始まり、綿密な製造活動やシーズン後の販売展開など、グローバルブランドの礎であるファッションカレンダーは断絶とまではいかないまでも大きな方向転換をすることとなった。しかしながら新作デザインの制作が現実味を帯びてこない中では、デジタルイベントを売りにつなげることは難しそうだ。

画像提供: YouTube