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「グッチ」、新クリエイティブディレクターにサバト・デ・サルノ氏任命

By Don-Alvin Adegeest

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Sabato De Sarno. Photo: Riccardo Raspa / Gucci

空席となっていた「グッチ(GUCCI)」のクリエイティブ部門トップが決まった。1月27日、親会社のケリング(Kering)はサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)氏を「グッチ」の新しいクリエイティブディレクターに任命したことを明かした。同氏のデビュー作は今年9月のミラノ・ファッション・ウィークで発表される見通しとなっている。

デ・サルノ氏は「グッチ」のマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼CEO直下のデザインスタジオを率い、ウィメンズ、メンズ、レザーグッズ、アクセサリー、ライフスタイルの各コレクションにおいて、グッチのクリエイティブなビジョンを定義し、表現する責務を遂行する。

業界でも注目の役を射止めたデ・サルノ氏は、イタリアのナポリ出身。「プラダ(PRADA)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」を経て、2009年に「ヴァレンティノ(VALENTINO)」に入社。ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)クリエイティブディレクターの下でキャリアを積みながら、のちに同社内でメンズとウィメンズのプレタポルテ・コレクションを統括するファッションディレクターに就任し、2010年代を台頭する最も期待され、ビジネス戦略に長けたブランドとしての「ヴァレンティノ」を築き上げた立役者として活躍した。

「グッチ」、二度目の「無名」デザイナー抜擢

ビッザーリ社長兼CEOは、業界外ではほとんど知られていない有望デザイナーの匂いを嗅ぎ分ける特別な才能がある。「女王バチ」ではなく「働きバチ」を好み、デザイナー特有の癖のある性格ではない人材を選ぶのが彼のやり方だ。2015年にアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)氏をクリエイティブディレクターに抜擢した際も、彼は無名のデザイナーであったにもかかわらず、その後、「グッチ」の成長やブランド刷新に貢献した。

しかし、そうした勢いもここ数年に失速。「グッチ」はケリングのグループ売上の3分の2を担う主力ブランドであることに加え、「サンローラン(SAINT LAURENT)」や「セリーヌ(CELINE)」の売上が100億ユーロに迫り、内部から改善するよう圧力がかかった。

さらにミケーレ氏の奇抜なジェンダーインクルーシブなコレクションも徐々に人気が薄れ、中国での売上も低迷し、「グッチ」にとって一つの時代の終わりが見えた。

ビッザーリ社長兼CEOはデ・サルノ氏について「適切かつ豊富な経験や独自のビジョンでクリエイティブチームを率い、「グッチ」の心躍る次のチャプターを綴ってくれるだろう」とのコメントを発表している。

またデ・サルノ氏は「“グッチ”のクリエイティブディレクターに就任することを大変光栄に思う。貴重な歴史・伝統を持ち、私が信じる価値観を長年にわたり受け入れ、かつ大切に扱ってきてくれたブランドに参画でき、誇りに感じる。自分のクリエイティブなビジョンをもって“グッチ”に貢献していけることに感動するとともに興奮を覚えている」とコメントしている。

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