ガブリエラ・ハーストが「クロエ」退社へ
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WWD誌は「クロエ(CHLOÉ)」のガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)クリエイティブディレクターが、次回パリファッションウィークで発表が予定されている2024年春夏コレクションを最後に同社を退社すると報じた。
ハースト氏および「クロエ」の親会社リシュモン(Richemont)からの公式な発表はまだだが、ハースト氏は退社後、自身の冠ブランド「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」に専念するものと見られている。
ウルグアイ出身のハースト氏はニューヨークを拠点にデザイナーとして活動。「クロエ」は今回の退社の報道と時を同じくして、俳優のアンジェリーナ・ジョリー(Atelier Jolie)氏が立ち上げたサーキュラーファッションブランド「アトリエ ジョリー(ATELIER JOLIE)」とのパートナーシップを発表しており、ハースト氏がデッドストック生地(在庫生地)を使った女性向けカプセルコレクションをデザインしたとしている。
ハースト氏の退社は、一般的な三年間のデザイナー契約満了にともなうものだが、一方でハースト氏はそのサステナブルなアプローチでサステナブルなラグジュアリーブランドとしての「クロエ」を牽引してきた。過去にはラグジュアリーブランドとして初めて「B Corp」(アメリカの非営利団体B Labが環境や社会に配慮した企業に与える認証制度)取得を成功させたほか、サプライヤーのジェンダー平等や賃金の公平性などを評価するオープンソースの測定ツール「ソーシャルパフォーマンス&レバレッジ(Social Performance & Leverage)」の開発にも携わった。さらに近年「クロエ」はデジタルIDを導入したリセール事業「クロエ・バーティカル(Chloé Vertical)」を立ち上げ、サーキュラービジネス推進を強化している。
「クロエ」の売上数値は開示されていないものの、リシュモンによると2023年3月に発表された第4四半期の売上は前同比13%増を記録したという。
ファッション業界では他にも「ジバンシィ(GIVENCHY)」のマシュー・ウィリアムズ(Matthew Williams)クリエイティブディレクターが今月末の退任を予定している。