米消費者、高級ブランド品求めて欧州に
By Don-Alvin Adegeest
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ロンドン、パリ、ミラノ。この3都市の共通点はなんだろうか。それは、高級品を求めて米国から渡航する消費者が急激に増加していることだ。20年ぶりにドルの価値が最高となり、米国の観光客が大陸を超えてラグジュアリーブランドの買い物目的で欧州に詰め寄っているという。
バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は昨今の高級品を取り巻く状況について、「米国の高級品消費者の非常に強い需要は2021年の最も大きな追い風だった。2022年になり、より複雑なマクロ経済的背景にも関わらず、この傾向が続いた」とコメントsている
高級品に対する強い需要
光熱費や燃料、金利、生活費が高騰するなかにおいても、米国における高級品需要は減少していない。こうした状況を、新型コロナパンデミックで中国の消費者がいまだ戻らない欧州のラグジュアリーブランドは歓迎している。さらにインフレが進み、消費意欲がかつてないほどに停滞する欧州域内では状況が一段と厳しくなっている。
というのも、現在、高級品の価格は同一商品の場合、税金の還付後では欧州の価格が米国よりも20%ほど安いからだ。
ウォール・ストリート・ジャーナルは今週月曜、LVMHやケリング(Kering)などフランスのラグジュアリーブランドが「夏頃から欧州でのドル高の煽りを受けて、消費が欧州から米国にシフトしている」と報じた。
さらに国際的経営コンサルティング会社「ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Co.)」によると、高級品市場は今年も生き続き強い成長を見せており、ラグジュアリーブランドは95%がプラス成長を記録するなど全般的に好調である。すべての高級品カテゴリで2019年レベルに回復またはそれを上回る基準を達成しており、特に時計や宝飾品、革製品、アパレルがパンデミック後の売上回復として目立っている」とコメントしている。
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