Amazon、“偽レビュー”投稿仲介業者との戦い
2022年8月4日
大手ECプラットフォームのAmazonが、偽のレビュー問題に悩まされている。事態は深刻化し、現在同社は1万件以上にもおよぶFacebookグループを「金銭や無料の商品と引き換えに偽のレビューをAmazonに投稿するよう促している」として提訴している。
商品レビューの信憑性を大変重要視するAmazonは、問題の偽レビューや関連する製品を削除するとしている。また、不正なレビューを購入しようとする出品者やメーカーや、そうしたレビューの提供者や投稿者を相手取り、レビューの操作として訴えを起こしていくという。
SNSでの偽レビュー、1万件越え
2020年以降、AmazonはソーシャルメディアのFacebook上に存在する1万件を超える偽レビューの仲介グループを親会社であるMetaに通報している。さらに悪質なレビューによる詐欺などの被害から出品者を守るため、世界中で1万2千人を雇用しているという。
『Footwear News』によると、Metaは通報を受けたグループのうち半分を利用規約に反するとして削除したとしており、一方これによりAmazonは2020年だけでも偽レビューが疑われる2億件の投稿の阻止につながったと発表している。
Amazonでは、ユーザーが過去に購入した商品が高く評価されると、その商品を扱うブランドや出品者が検索結果の上位に表示される仕組みになっている。Amazonによると、Facebookの偽レビュー仲介グループは業者から事実無根のレビューを投稿するよう勧誘されたものだという。
こうしたFacebookグループのうちの一つ、「Amazonプロダクト・レビュー(Amazon Product Review)」はMetaに閉鎖される前に4万3千人を超えるメンバーを持っていたとされ、さらに別のグループ「Amazonヴァリファイド・バイヤー・アンド・セラー(Amazon Verified Buyer & Seller)」のメンバー数も2500人以上であった。グループの管理者は偽レビューを一投稿あたり10米ドルで販売していたという。(CNBC)また金銭のみならず、無料商品と引き換えに投稿を促していたケースもある。
Amazonの商品レビューは、消費者による情報を得た上での商品購入の意思決定を支援するツールとして1995年に導入された。偽レビューの仲介行為は業界全体の問題だとAmazonは指摘している。