EU、クラウド市場でAmazonとMicrosoftへの規制強化を検討

（AFP）欧州連合（EU）は、クラウドサービス分野の巨大企業であるAmazonおよびMicrosoftに対し、規制を強化する可能性がある。これは、欧州委員会のデジタル担当副委員長が火曜日に発表したものである。

「ゲートキーパー」指定に向けた調査と罰金の可能性

欧州委員会のデジタル担当副委員長であるヘンナ・ビルックネン氏はベルリンで、委員会が火曜日に2つの調査を開始したことを明らかにした。この調査は「Amazon Web Services（AWS）とMicrosoft Azureをリモートコンピューティングにおけるゲートキーパーに指定すべきかどうかを判断する」ことを目的としている。この指定がなされれば、両社は欧州のデジタル市場法（DMA）が定める厳しい義務を負うことになる。

DMAは昨年施行された画期的な法律である。テクノロジー大手の支配的地位の乱用を、強化された規則および管理を通じて終わらせることを目的としている。この主要な法律は、違反した場合に企業の全世界売上高の最大10％、再犯の場合には最大20％の罰金を科すことを定めている。

市場の寡占化と脆弱性

クラウドは、サーバーとソフトウェアが接続されたグローバルネットワークであり、世界のコンピューティングの根幹となっている。経済や日常のサービスの大部分がこれに依存している。

調査会社Synergy Research Groupによれば、この市場は世界的に米国の大手3社によって支配されている。2025年第2四半期のシェアは、AWSが30％、次いでMicrosoft Azureが20％、Google Cloudが13％であった。

このような市場の寡占化、およびここ数カ月で発生し、機能不全に陥った際の顧客の脆弱性を露呈した複数の大規模障害が、欧州における同分野の規制強化を求める声を後押ししている。

欧州委員会は、AWSおよびMicrosoft Azureに関するこれら2つの調査を12カ月以内に完了させる方針である。

並行して、欧州委員会は火曜日に3つ目の調査も開始した。これは、現行のDMAの規則がクラウド事業者を効果的に規制するのに十分か、あるいは同分野の特殊性を考慮して規則を調整する必要があるかを判断するためのものである。

AmazonおよびMicrosoftは、すでに他の事業でDMAの対象となっている。具体的には、第三者の販売者が商品を提供できるサービスであるAmazon Marketplaceや、ビジネス特化型SNSのLinkedInが挙げられる。