「ローラン ムレ」がアマゾンの「Luxury Stores」に出店
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アマゾン(Amazon)が今月開設した高級品専用プラットフォーム「ラグジュアリーストア(Luxury Stores、以下、Luxury Stores)」にまた新たな有名ブランドが出店する。同プラットフォームではすでに「オスカー デ ラ レンタ(Oscar de la Renta)」が出店しているが、このたび新たに英国のファッションブランド「ローラン ムレ(Roland Mouret)」の出店が決定した。
「Luxury Stores」は現在アマゾンの米国プライム会員を対象にモバイルアプリからアクセスできるようになっている。「ローラン ムレ」は本日、「Luxury Stores」への出店を記念し、モデルを使わず洋服のみが登場する環境問題をテーマとした CGI動画 「ノー・ショー(Now Show)」を公開する。
長年高級ファッションはECサイトにおいて出店を拒む大きな壁とみなされてきた。多くのファッションブランドがEC参入に懐疑的になる中、「ネッタポルテ(Net-a-Porter)」が登場し、ラグジュアリーブランドでもECが成功することを証明した。以降、多くのラグジュアリーブランドがECによる売上の増加を目的に事業を拡大し、さらには「セリーヌ(Celine)」など“最後の砦”とされたブランドもECに参入し始めた。
新型コロナのパンデミック以来、大衆市場から高級品まであらゆる小売業者が事業を継続させるため、EC機能の見直しを行った。アマゾンの「Luxury Stores」は、百貨店内の店舗とは異なりブランド側が自由に自社の仮想店舗内をデザインできるほか、アマゾンの早期配達サービスも利用できるなどの利点があり、高級ブランドにとって新たなビジネスモデル になると期待される。
「ローラン ムレ」は昨今ニューヨークのマディソン通りにあった旗艦店を閉店し、ECと卸の事業の強化を図っている。今後は引き続き同社最大の市場である米国事業に注力する一方、ファッションのライフサイクルの延長にも取り組み、アマゾンの「Luxury Stores」でも限定商品や数量限定商品を販売していく。仮想店舗は先般新型コロナの影響で開催中止となった2020秋コレクションのショーを受けて開催されるプレ・フォールコレクションのショーと時期を合わせて公開となる。
写真提供: us.rolandmouret.com