高級アウトドアウェアブランド「ムースナックルズ」NY店がNYCxDesign 賞を受賞
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カナダ発高級アウトドアウェアブランド「ムースナックルズ(Moose Knuckles)」がニューヨーク・ソーホーに開業した初の米国旗艦店が NYCxDesign賞の大規模小売部門の大賞(NYCxDesign Award for Large Retail)に選ばれた。
NYCxDesign賞はニューヨーク市内の優れた建築やデザインプロジェクトを表彰する賞。「ムースナックズ」米国旗艦店は「プーマ(Puma )」や大手百貨店「ノードストローム(Nordstrom)」、大手金融機関「JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase )」のニューヨーク旗艦店を押し除けての受賞となった。ショーマット・デザイン・アンド・コンストラクション(Shawmut Design and Construction)が施工し、デザインはオニール・ランガン・アーキテクツ(O’Neil Langan Architects)が手がけた。
審査員達が“極めて刺激的な視覚的な旅”を提供しているとして絶賛した店舗にはカナダの著名ラッパー、ドレイク(Drake )のアルバムカバーになった本人がトロントの高層ビルCNタワーの頂上に腰掛ける画像のミニサイズのレプリカ や、ホッケースティックやニュートンのゆりかご、模型の鉄道レールなどで出来た二階建てのからくり箱などのインスタレーションを複数設置。集客だけでなく、ユニークでびっくり仰天するような仕掛けで来店客が楽しめることを考慮した設計になっている。
「現代の小売店では顧客との直接的なつながりが不可欠」。「ムースナックルズ」のアヤル・ツウィク(Ayal Twik )チーフエグゼクティブはそうコメントを発表。「米国初出店において、これ以上の場所はない。この街は“ムースナックルズ”の本質を体現している。ありのままで、リアル。そして唯一無二の存在だ」とソーホーへの出店理由を説明している。
店内には氷河を俯瞰図が表示された複雑な構造の石膏があしらわれ、ブランドの象徴であるアウトドアを表現。さらに商品カテゴリごとに作られたカスタム・ディスプレイが店舗の隅々におかれ、それぞれに物語を作り出している。
店内一面に大胆に作り込まれた壁面にはまるでキャンバス に描かれたようなメンズ、ウィメンズ、キッズライフスタイルのコレクションが彩を添える。一方、 VIPルームは赤のベルベッドの壁や高級感あふれる生地などをあしらい官能的な世界観を表現。
ショーマット・デザイン・アンド・コンストラクションのデイビット・マルゴリウス(David Margolius )エグゼクティブバイスプレジデントは「集客率を上げるためには小売店は単なる購入行為だけにとどまらず、店舗の中で何かを見つけるという感覚を顧客の中で醸成する必要がある」との意見を述べ、「ムースナックルズのソーホー・ストアはそうしたコンセプトを体現し、店舗スペースのあらゆる部分をブランドのタッチポイントとして活用している。商品陳列ケースを芸術作品として飾るなど、ムースナックルズは我々の豊富な職人のネットワークを最大限に生かし、そのブランドビジョンを表現した」と語った。
内装は「ムースナックルズ」の華麗で洗練された芸術性に着想を得てカスタムデザインの木目調タイルや再生された鋳鉄円柱をあしらいシュールなショップ空間に個性的な建築をブレンド。また店舗の一階部分はカスタムメイドのゴールドカラーのガラス、鏡面仕上げのステンレススチールを使うとともに、店の右側に置かれたスクリーンではオーロラのライブ映像を流すなど印象的なしつらえに。さらにリノベーションされた建築エレメントがオニール・ランガン・アーキテクツのデザイナー、スティーブ・オニール(Steve O'Neil)の自然なのにエレガントなビジョンを引き立たせる。
画像: courtesy of Moose Knuckles