日本ストリートブランド9090、中国本土市場へ進出　上海ポップアップでブランド認知拡大

日本のストリートウェアブランド「9090」が、親会社である株式会社Yutori（以下、ユトリ）と中国のブランドマネジメント企業BranDNAとの新たなパートナーシップを通じて、中国本土市場へ本格的に参入した。この動きは、上海で期間限定ポップアップストアのオープンという形で具体化されている。

今年8月にオープンしたこのポップアップストアは、ストリートウェアカルチャーの中心地として知られ、流行に敏感な消費者が集まる上海の長楽路に位置しており、アメリカのストリートウェアブランドSupremeの店舗の向かいという好立地にある。SNSを活用してブランドを構築することで知られるユトリは、今回の協業を通じて、日本のストリートスタイルを中国のZ世代に浸透させることを目指している。

90年代にインスパイアされたカルチャーが中国の個性志向に応える 2018年に設立された「9090」は、1990年代のユースカルチャーから着想を得て、ヴィンテージの美学とモダンなデザインを融合させている。同ブランドは、そのユニークなデザインと数々のコラボレーションを通じて、日本国内で支持を拡大してきた。

BranDNAの社長であるジェームス・チェン氏によれば、中国のZ世代消費者の間では、品質と価格のバランスが取れており、かつ個性や文化的センスを表現できる衣類への需要が高まっている。チェン氏は、9090のテーマである90年代の反骨精神が、独自の個性や独立性を表現したいと願う中国の若者と強く共鳴していると述べている。

また、BranDNAとその前身企業は、これまでイタリアのラグジュアリーアウトドアブランドHydrogenやアメリカのデニムブランド7 For All Mankindを含む、40以上のグローバルブランドを中国市場に導入してきた実績を持つ。

上海でのポップアップストアが初期段階で成功を収めたことから、ユトリおよびBranDNAは今後、追加のポップアップイベント、共同プロジェクト、小売パートナーシップを通じて9090の中国でのプレゼンスを拡大し、最終的には常設店舗の設立を目指す予定だ。