記事の著者 Simone Preuss
ユーロモニターによる、2026年主要4トレンド
毎年恒例となっているように、市場調査会社ユーロモニターインターナショナル(Euromonitor International)の専門家たちは、同機関の分析を用いて2026年の主要な消費者トレンドを特定した。 2026年を支配するのは、「コンフォート・ゾーン(Comfort Zone)」、「フィアースリー・アンフィルタード(Fiercely Unfiltered)」、「リワイヤード・ウェルネス(Rewired Wellness)」、および「ネクスト・アジアン・ウェーブ(Next Asian Wave)」の4つのトレンドであり、これらは現在のトレンドをさらに拡大させたものである。以下にその概要を紹介する。 コンフォート・ゾーン(Comfort Zone) このトレンドは、消費者が穏やかで価...
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次なるアパレル生産地はエジプトか──2035年の可能性を読む
2025年の最初の4ヶ月間で、エジプトの既製服(RMG)輸出額は10億米ドルの大台を突破した。食品・飲料に次ぎ、テキスタイルおよび衣料品産業は現在、エジプトで2番目に大きな産業セクターである。2024年、同国のテキスタイル輸出額は、欧州、米国、およびアフリカといった市場での需要に牽引され、約20%(18%)増の28億4000万米ドル(うちデニム輸出が8億ドル)に達した。エジプト政府の近代化計画によれば、この数字は2031年までに120億米ドルという野心的な目標に達する見込みだ。 しかし、この数字は本当に野心的なものなのだろうか。それともエジプトのテキスタイルおよび衣料品産業は、多くの有利な要因に支えられ、単に成長軌道に乗っているだけなのだろうか。業界の専門家によれば、同国は2035年か...
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ブシュロン、上海に中国初の旗艦店 画像と共に紹介
上海にオープンしたラグジュアリーメゾン、ブシュロンの新たな旗艦店。写真:Boucheron フランスの高級宝飾・時計・香水メゾンであるブシュロンは今月、中国初となる旗艦店をオープンした。上海の歴史的なXintiandi地区に位置するこの店舗は、パリの旗艦店および東京の銀座店に並ぶ、世界で3番目の旗艦店である。 Taicang Road 181 Nongに位置する278平方メートルのブティックのオープンは、CEOのエレーヌ・プリ=デュケンが推進するアジア成長戦略における重要なマイルストーンである。これはフランスおよび中国の架け橋となることが期待されている。 フイフイによるテキスタイルアートが飾られたブティックの内部。写真:Boucheron 「2015年にブシュロンに加わった際、私はアジ...
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ケリングと上海ファッションウィーク、新プログラム「CRAFT」を始動
第8回中国国際輸入博覧会(CIIE)におけるケリング・パビリオンのオープニングセレモニーで、フランスのラグジュアリーグループであるケリングは、上海ファッションウィークと「Kering CRAFT」を立ち上げるための覚書(MoU)を締結した。 このプログラムは「Creative Residency for Artisanship, Fashion and Technology」の略であり、ケリングが中国のファッションおよびクリエイティブ業界と連携し、サステイナブルかつ未来志向の発展を支援することを目的とした新たなイニシアチブである。また、このプログラムは、国際的なクリエイティブコミュニティ間の交流を促進することで、上海のファッション業界が持つグローバルな影響力を強化する助けとなる。 ケリ...
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アクティブウェア市場調査:Z世代、ミレニアル世代、X世代へのアプローチ法
アクティブウェアとは、その機能性が評価される衣料品である。伸縮性、耐久性、吸湿性に優れた素材で作られることが多く、スポーツやアウトドア活動における動きやすさを提供するようデザインされている。スポーツウェアとは異なり、アクティブウェアは特に快適性を重視している。また、エクササイズだけでなく日常生活でも着用できる汎用性を持ち、このトレンドはアスレジャーへと拡大した。 アクティブウェアは1990年代から2000年代初頭にかけてすでに人気を博していたが、新型コロナウイルスのパンデミック中に需要が急増した。オフィスへの出勤が不要になった人々は自宅で快適な衣類を求め、スーツやネクタイといったフォーマルウェアの時代に終止符が打たれた。仕事、家庭、旅行、フィットネスの境界が曖昧になるにつれ、アクティブ...
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ファミリーマート、東京に初のアパレル専門店をオープン
日本全国に15,000店舗以上を展開する大手コンビニエンスストアチェーンのファミリーマートは、2025年9月1日、自社のアパレルライン「コンビニエンスウェア」に特化した初の店舗をオープンした。店舗面積は62平方メートルである。 同ラインは、日本のブランド「ファセッタズム」の創設者でもあるデザイナーの落合宏理氏と共同で、2016年に「いい素材、いい技術、いいデザイン」をコンセプトに開発された。成長は着実に続き、現在ではアウターウェア、パンツ、ソックス、アンダーウェアなど約150種類のアパレルアイテムを展開している。 このアパレルラインの人気は高まり、ベストセラー商品であるファミリーマートカラー(緑、白、青)のラインソックスは2,800万足以上を売り上げた。この成功を受け、イートインスペー...
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ファッションとプロテイン繊維の出会い:「バイオテクノロジーは大きな力となる」
Spiberは、発酵技術を利用してプロテイン素材を生産する日本のバイオベンチャー企業です。その生産方法は、2004年にバイオインフォマティクスの研究者である関山和秀氏と菅原潤一氏が発酵による蜘蛛の糸を模倣した繊維の生産方法を研究したことから始まりました。3年後、彼らはその研究を繊維産業が直面する環境問題の解決に役立てるため、アパレル産業向けに特別に設計されたプロテイン素材を開発しました。 10年前、Spiberは画期的な技術を開発しました。独自開発のDNAを微生物に組み込み、特定のプロテインを生成することで、バイオベースで生分解性をもつBrewed Proteinファイバーを製造。サトウキビ由来の糖をプロテイン生産の主原料としています。Brewed Proteinファイバーは現在、...
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ストックXが2023年のトレンドレポート発行〜主役は「スニーカー」と「コラボ」
クロックス」は今年トレンディなモデルを複数発売し、2023年にストックXで最も取引されたブランドのうちの一つにランクインした。(写真提供:Crocs) スニーカーやアパレル、コレクターグッズなどを扱う再販プラットフォームのストックX(StockX)が最新トレンドレポート「Big Facts(ビッグ・ファクツ)」を発表し、同社サイトで行われた取引や検索実績から2023年の人気商品やブランドのランキングを公開した。以下にそのハイライトを紹介する。 スニーカー・モデル Nike x A-COLD-WALL* Zoom Vomero +5 Credits: Design Museum スニーカー・モデルでは今年、「ナイキ(NIKE)」の「Vomero 5」、「アシックス(ASICS)」の 「...
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「18年後のZ世代」AI、AR、ロボットが変える買い物行動 民間調査で判明
スウェーデン発の決済サービス会社「クラーナ(Klarna)」がこのほど発表した次世代の消費者の購買行動に関する調査結果において、人工知能(AI)や拡張現実(AR)、ロボットといったテクノロジーが将来的に実店舗・オンラインともにファッションの小売業で主流となるという傾向が明らかになった。 今年4月、クラーナは調査会社「ダイナータ(Dynata)」と共同で米国・英国・ドイツ・フランス・スウェーデンの五カ国に住む18歳〜77歳の消費者約5000人(一カ国あたり最低1000人)を対象にインターネット調査を実施。「今から18年後、Z世代が40歳を迎える2041年の世界で買い物がどう変化しているか」をテーマに、回答者にアンケートを行った。その調査結果から、買い物の将来像についての消費者の考えが見え...
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プラごみからボタン1.5億個〜H&M財団、インドで貧困・環境対策展開
インドでは年間約6200万トンのごみが捨てられている。そのうち焼却処分されているのは19%のみで、残りは埋立処分となるが、ごみのいく先はそこで終わらない。現地では生活のためにごみから有価物を拾う人々が150万人〜400万人いるとされ、インドのリサイクル業界を大きな支えになっている。 教育を受けられず、社会的弱者となって裸足でごみの山に登る人たち。市から持ち込まれる廃棄物からガラスや金属、プラスチックなど、現金化できそうなものを集める。貧困からごみ拾いをせざるを得ないが、彼らはインドの廃棄物管理システムにおいて欠かせない役割を担い、循環型経済のキー・プレイヤーである。それにもかかわらず、生活は厳しく、その働きにも日が当たらないばかりか、社会的支援もほとんど受けられずにいるのが実情だ。...
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